ペプシマンシリーズの誘惑 (2000/06/07) |
今ペプシの500ccペットボトルを買うとおまけがついてくる。 ボトルのふたにペプシマンの人形がついているやつで今回が第三弾だ。 アクシデントシリーズと銘打って窓ガラスに激突したりペンキ塗り立ての椅子に 座ってしまったペプシマンがキャップの上で痛恨の表情をしていて、なんともほほえましい。 15種類あるので集めるのが結構大変。 ここでひとつ。 なぜこのおまけが袋に入っているのか。 それは人のコレクション心というか収集癖に興じた商売そのものだ。 全種類集めるためには最低でも15本買う必要がある。 1本140円として2100円。いい値段だ。 あらかじめどの人形が入っているかわかっていれば15本しか買う必要がない。 15本しか売れない。 しかしおまけを隠せばもっと売ることができる。 もっと買わなければならない。 そもそもおまけ付きの食べ物は往々にしておまけがメインになる。 野球カード付きスナック菓子がそうであり、今回のペプシもそうである。 ポケモンは違うのかな。 ペプシが飲みたくて買うわけではなく、当然おまけが欲しくて買っているわけだから すべて集まれば一連のマイブームはその時点でおわってしまう。 飲むだけなら他社製品にも同様の製品がある。 しかし残念ながらおまけは目隠しした袋に入っている。 何が入っているかわからないので当然同じおまけをゲットしてしまう。 ケースで買えば一発で集められそうだが、9本も余計に買うことになる。 毎日一本ずつ買えば第一回目は当然ダブらないが 二回目以降は同じおまけにあたる可能性が出てくる。 しかも数が集まるほど新規ものの確率は下がってくる。 同じおまけがいくつも集まってしまう。 だんだんイライラしてくるが、集まらないとケツの座りも悪い。 なかなか集まらなければ余計に欲しくなる。 欲しくなるからまたコンビニに走ってしまう。 毎回同じコンビニに行くと店員と顔なじみになってしまうので ペプシシリーズ集めているのがバレると少し恥ずかしい。 いい歳して地元のガキンチョと張り合っているようで、かなり恥ずかしい。 「ああ、こんなのがあるのか、ためしに買ってみようかな」 ビールと一緒に買ってみたりする。 このわざとらしさは店員に見過ごされていたりする。 レジの前にはペプシが山積みされているが、当然冷えていない。 普通汗かいてて室温のコーラを飲むわけない。 おまけ集めてんだな。ばればれなので、そこのは買えない。 本当は買っても飲まないのだから室温のでいいはずなのに。 集めたおまけはデスクに飾っている。 なんでかニコニコしてしまう。 コーラのほうは置き場に困る。10本20本と集まると邪魔だ。 飲み物なので捨てるのも忍びない。 ダイエット版を買ってはいるが、早々飲めない。 一人暮らしのアパートには整理棚もない。 一人暮らしの冷蔵庫には野菜もない。 おのずと冷蔵庫が保管庫になる。 飲まないコーラがおいしい温度で当分来ない出番を待っている。 ある日突然断水してもしばらくは困らないだろう。 そのときこそ彼らの独壇場だ。 視線を変えて、 このおまけ誰かに全部もらっても欲しくないと思う。 自分で集めるから楽しいのだ。 ひとと交換してコミュニケーションはかるもいいし、 高値で売りさばくもよい。 けれど一度にどさっともらっては、その瞬間はうれしいかもしれないが 持続性がない。 今度のプラスチックごみの日に出されかねない。 集めるのが楽しい。 集まったら楽しくない。 この心理にうまく入り込んだのが ペプシの戦略だろう。 昨年の第一弾でコカコーラのシェアを逆転したのもうなずける。 コカコーラもファイナルファンタジーシリーズで同様のおまけを出したが 二番煎じは否めない。 商売は難しいが、このおまけを考えた人の高笑いを創造するのも悪くない。 長年後塵を拝してきた会社がちょっとした人形で立場を逆転させた。 醍醐味だ。 ところで私のコレクションは10個で止まっている。 どうしても女性にひっぱたかれているペプシマンが欲しい。 誰か譲ってくれないか。 変わりにバケツをかぶっているペプシマンを3個あげるから。 以上
PS 窓ガラスに激突したペプシマンは本当に痛そうだ。
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