大学センター試験に思う (2002/02/09)

 
 今朝の新聞によれば、1月に実施された大学センター試験の採点結果が公表されたらしい。私学に進んだ私には大学センター試験も当時の共通一次試験もまったく無縁だったが、この採点結果を見ているうちに、なにやらセンター試験も身近に覚え、国公立大学への再入学でもしてみようかなどと安易な考えが浮かんでくる。新聞には教科・科目別に受験者数と平均点が列挙されている。こうしてみるといろいろな受験科目がある。例えば、世界史のAとBは何が違うのだろう。おや。社会という科目はなくなっている。「国語・地理歴史・公民・数学@・数学A・理科@・理科A・外国語」に分類されているぞ。数学の工業数理って何だろう。情報関係基礎はもっと怪しげだ。ところで美術や保健体育の科目はいつから無くなったのかな。神奈川県のアチーブメントテストにはあったはずなのに、そういえば神奈川方式と呼ばれ公立高校を受ける限り浪人することはなかったあのテストはまだあるのだろうか。月日の経つのは早いものだ。

 感心している場合ではない。本題に戻ろう。このセンター試験で注目に値するのは、外国語についてだ。英語は全教科の中で最も受験者が多く、549,224人も受験し、平均点は200点満点で、109.68点だ。55万人もの人間が受験し、その中でトップを取るのは至難の技に違いない。そこへいくとフランス語は。。。。おっとなんだこれは。じゅっ受験者数が156人しかいない。日本全国で156人しか受けない試験なんてあっていいのか。日仏学院の生徒数より少ないぞ。しかも平均点は141.26点もある。んん。韓国語にいたっては99人受験の165.40だ。各都道府県で2人しか受験していない計算は、なんか間違っているような気がしないでもない。100人も受けない科目で国民の血税で運営されている国公立大学に入学できるなんて夢のようだ。しかも100点満点に換算すれば82.7点。英語換算の55点未満に比べて圧倒的に有利だ。そもそも80点以上が平均点の試験なんて、どんな試験だ。運転免許の試験でももっと難しそうだぞ。ワールドカップ開催にちなんでサービス問題連発だったのかな。問題を見てみたい。しかし、韓国語はちんぷんかんぷんなので、せめてフランス語の試験だけでも取り寄せて、来年の来るべき春に備えてみようか。仏検3級程度でどのくらいの回答率が得られるか興味深々だ。来年の今ごろは、この新聞記事に心踊っている自分が想像できる。そして来年の春には国立大学生になるのかな。学割の復活だ。いいぞ。

 さて、この記事の横には高校生の就職内定状況も報じられている。過去最悪の67.8%しかないという。就職しようとする高校生は前途多難で、大学進学で韓国語を選んで高校生は楽勝だ。なんか間違っているような気がして、今宵の酒は妙に酔う。科目別の受験者数の笑っちゃうほどの開き具合と、日本全国の受験生のうち99人しか韓国語を学んでいない事実には開いた口もふさがらない。99人でトップを取るのは、55万人のうちの99番目を取るより簡単だ。なんだか計算根拠がぐちゃぐちゃだ。とにかく来年の受験科目は韓国語しかないだろう。それを全国の高校二年生に伝えられれば、今宵の酒ももっとうまいはずだ。

 カルバドスに酔いつつ、ここが変だよ大学入試。


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