日本酒の会 (2002/02/18) |
某日某所。異色の組み合わせとも少数精鋭とも言われる日本酒の会が開かれた。日本酒を余り飲み慣れていないものとして、個人的に今回のイベントは非常に有意義であった。日本酒の奥深い魅力に少しとりつかれそうである。今回のセレクトはdanchu特集に影響されての実現だったので、詳細な知識を持たずに行き当たりばったり的ではあったが、初回にしてはまずまずの成功を収められたと思う。用意した酒は5本。ただし諸般の都合により最後の東一まではたどり着かなかったので、実質は4本。ぐい飲みを幾つか用意して、某美人講師の手料理と老舗の鰻に舌鼓を打ちながら、素敵な夜はふけていった。
磯自慢 吟醸 萬歳楽 白山 梵 無濾過生原酒 限定純米吟醸 獺祭 磨き3割2分 純米大吟醸 東一 総括すると、日本酒にも新しい風が吹いているということだ。磯自慢は某老舗・国○しの鰻との相性も良く、すいすいと飲みやすい酒だ。醸造アルコールさえ気にならなければ、かなりの量を頂けそうなソフトな味わい。これはフルーティさを持ちながらも、抜けが良く、くどくない味わいの影響だろう。前評判通りの安心できるおいしい味わいだ。白山は昔っからの酒。伝統の味を残し、古臭い印象を受けながらも、じっくり長い付き合いができそうな味だ。ヒジキの皿がみるみる無くなっていく。いわゆる昔から酒を飲みつづけている人には、もっとも馴染み深い味なのかもしれない。某女史によれば今回の白山は、従来の価格に比べ小売で1000円ほど安くなっていたようで、その原因を味に探ってみたようだが、結論は酔いにまみれてしまったりした。梵は、軽快辛口。もっと淡麗辛口に振ってあるのかと思ったが、意外に甘味があり、いい酒を飲んでいると実感できる味わいだ。この酒だけが五百万石米を使用しているが、山田錦との差までは分からない。もう少し精進が必要だろう。出汁の染み込み具合が絶妙のコンニャクを突っつきながら、頬も赤く染まるというものだ。某店では通好みとの評を聞いていたが、通ではない私にも飲みやすかった。ラストはマイブームの獺祭。濃醇旨口系。フルーティな香りに勢いがあり、新しい日本酒のスタンダードになりそうな存在感がある。やはりこのインパクトの強さには目を見張るものがある。強烈な印象を与えつつ、意外にすっきりした味わいは、この酒を飲む人に新鮮な驚きを与えるだろう。ただ、このインパクトになれてしまうと、なにか物足りなさも感じざるを得ないのが気にかかる。核心に何かが足りないような、そんな思いが酔っ払った頭の中を駆け巡る・・・・。そしてこの酒は料理との相性はいまいちで、もわんもわんする香りには鰻は元より刺身やてんぷら、寿司とも合わせづらい。酒単独で味わってこそこの酒の威力が発揮される。 日本酒といえば、枡酒も捨てがたいが、白山を除いて、枡で飲むのはためらわれる。フルーティな香りに檜が重なると、くどい感じが想像できるからだ。すっきり感が無くなりそうで、お猪口やリーデルから出ている大吟醸グラスで一杯やる方がすっきりうまそうだ。ぬる癇で飲むのも結構好きだったが、今回の酒はすべて冷やして飲むのがよさそう。温度が上がると繊細な息遣いが楽しめなくなってしまうから。 今回は極小人数だったので、4種類が限界だったが、もう少し輪を広げていろいろ飲み比べるのも楽しみだ。こだわりの逸品を持ちこんで、気粋な肴とともに大いに語り合いたい。今回はラインナップしなかったが本格的な淡麗辛口にも挑戦したかったりする。何しろ日本酒はワインに比べて圧倒的に安い。飲み残してもある程度は日持ちもする。久しぶりに某所のエロ寿司(偽名)さんに持ちこんで、わいわいやりたいものだ。 本当は日本酒ドリンキングレポートのような形でまとめたかったが、またしても酔ってしまったので、次回のテーマとして大切にとっておこうと思う。今回のコラムも、いつもの癖で落ちがないぞ。 おしまい Copyright (C) 2002 Yuji Nishikata All Rights Reserved.
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