ラムの魅力 2 (2003/02/13)

 
 マイブームのラムについて。
 最近、ワイン売り場を廻るついでに、スピリッツ(蒸留酒)のコーナーにも立ち寄っている。ラムを探すためだ。ラム酒は意外というか案の定というか、その売り場スペースは非常にこじんまりとしている。多くて数種類、少ないところではメジャー級が2、3種類あるだけのようだ。そこで目にするラムは、希少品を除いて、ほとんどが1000円台で購入できるようで、ワインに比べて格段に安い。安いが、私はラムを酒屋で買うことはない。なぜか。その理由は・・・。

 本題に入る前に、バーでの値段を考えてみた。バーでラムを一杯飲む場合、大抵は1000円しないだろう。ウイスキーやブランデイに比べて安い価格設定で、スピリッツの中では最も安い部類に入るだろう。そうなのだ。バーでショット一杯飲むのと、酒屋さんで一本買うのとでは、ほとんど同じ金額なのだ。同じ価格なら一本買って自宅で飲んだ方が安上がり。しかし、私はそれでも酒屋でラムを買う衝動に駆られない。

 まずラムは蒸留酒であり、原料のサトウキビの恵みもあって甘い口当たりになっている。飲みやすいのだ。飲みやすいからぐびぐびいってしまう。ラムの語源とされるランバリオン状態 (ぐでんぐでんにいい気持ち)になりかねない。諸般の都合により ? ワインを飲む機会も多く、アルコール中毒が少し怖い。調子に乗ってガンガン飲むと、肝臓やらの内臓に大きな負担となることだろう。それはちょっと避けたい。価格が安いだけに、手を伸ばせばすぐ飲めてしまう。これはやばいというものだ。

 なによりラムの魅力は、ほんの少し楽しむところにある。バーでの静かな酒談義。疲れた身体にほんの少しのラムが欲しいだけだったりする。ボトル一本分も要らないのだ。サトウキビから作られるラムにもいろいろな味わいがあり、それらを少しずつ楽しめればと思う。少しずつ。少しずつ。

 ラムはおいしい。そして藤沢某所で、カウンター越しに某女史や某女史らと過ごす時間もまた楽しい。ラムなら某所にある。マルティニークを中心に、街の酒屋さんでは手に入れることが出来ない希少なラムコレクションを少しずつ楽しむのが、何とも贅沢なような気がして、今宵も某所に行こうかと思ってしまう。

 酒屋さんでラムを探す。決して買わないけれど、ラムのコレクションの多寡によってそのお店のこだわりも見えてくる。このお店はお酒の何に惚れているのか。ラム好きの店主とちょっとした会話を楽しめればと思う。珍しいラムを見つけると、思わず店員さんに声をかけたくなるし、その店員さんがうら若き女性で、ミニスカートで、陽気な人だと、なおうれしかったりする。しかし現実の多くは、おやっさんだったりするから少しだけ、寂しい。だから買わないというわけではない。しかし、うら若き女性がニコニコ近寄ってきたら、このラムくださいといってしまいそうで怖いが・・・。そんなに高くはないので、たびたび訪問して、そのたびにラムを買っていては、なにより女の子目当てで買っているようで、何とも心外であり、図星だったりするから辛い。

 まあとにもかくにも、ラムを自宅で飲むには、内臓への負担が大きすぎてすこし怖い。ラムは藤沢でショットで飲むに限るというところだろう。某女史に相談すれば、その日の気分で数あるラム・コレクションの中からベストなラムをチョイスしてくれるはずだ。ショットのラムと過ごす夕べ。なかなかいい感じである。

おしまい

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