シングルモルトの魅力 (2003/02/13)

 
 マイブームのシングルモルト・ウイスキーについて。
 最近のラム・マイブームにおされてシングルモルト・ウイスキーを飲む機会もめっきり少なくなったが、依然としてマイブームは続いている。シングルモルト・ウイスキーは大学時代から楽しんできたが、今回の長いマイブームは違った角度から楽しんでいる。以前は専門店でしか手に入らなかったシングルモルトも、今ではコンビニで売っているから時の流れは恐ろしい。先日も神楽坂某所の居酒屋で、シングルモルト各種がグラス売りされていて、びっくりした。

 今回のブームはずばり、「ボトラーズアイテムを楽しむ」だ。

 シングルモルトは産地により味わいが異なり、アイラ島、ハイランド、スペイサイド、キャンベルタウンなどの産地別の区分けが有名だが、今はまっているのは、ボトラーズ、オフィシャル、インディペンデント別の区分けにより、特にボトラーズアイテムの愛飲に凝っている。コンビニや居酒屋や多くの酒屋さんで売っているシングルモルトは、大抵オフィシャルブランドだ。オフィシャル・ブランドとは、蒸留所が公式の商標で販売しているもので、例えばボウモア17年とか、ラフロイグ10年とかいう類だ。一方ボトラーズ・ブランドは蒸留所から樽買いした原酒をボトリング会社が独自に熟成させたもので、オフィシャルブランドにはない熟成年数やビンテージがあり、モルトウイスキーの世界を奥深く誘ってくれている。インディペントブランドとは、独自の設備を持たず、委託先にて製品化しているもので、まだ未経験だったりする。

 とにかくボトラーズ・ブランドにはまっている。いわゆる通好みであり、オフィシャルブランドがシングルモルトの裾野を広げる重要な役割を持ちつつ、それに飽き足らなくなったマニアたちが捜し求めるのがボトラーズ・ブランドだ。ボトラーズ・ブランドは街中で見かけることも少なく、どうやって手に入れたらいいか疑問符が点灯し続けているが、お酒にこだわるバーには数種類用意されているはずなので、今のところバーでの楽しみのひとつにしている。

 いちげんのバーに入って、「ボウモアのボトラーズは何がありますか」と尋ねて、返ってきた答えによってその店の力量が分かる。大衆向けの憩いの場なのか、酒にこだわるお店なのか、夜景に頼る店なのか、なんとなく開けている店なのか、コンパニオンのお姉ちゃんたちにドタキャンされて違う店になってしまったのか、まあ、いろいろだろう。

 「そうですね。ボウモアは今ちょっと切らしてまして、ブラッカダーの1991の10年ものしかありません。それでよければ。」なんて答えが返ってきたら、しばらく通いそうな予感がする。シングルモルトの違う付き合い方にちょっとマイブームである。

おしまい

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