うまそう (2003/02/14)

 
 先日のピエール・エルメのミルフィーユの感動が覚めやらず、今発売の料理王国「パティシエの仕事」2003年3月号を立ち読みしていると、どうしようもなくお菓子が食べたくなって、あらかた読んでしまったにもかかわらず、この雑誌を買ってしまった。京橋(大阪じゃなく東京の方)に昨年12月にオープンした「イデミ スギノ」のアンブロワジーの冷たく輝くチョコレートが食べたくなっている。東京チョコレート戦争と銘打たれた特集記事もよだれ拭き拭き思い出し笑い。知らない間にこんなにもチョコレート専門店が東京に進出しているのか。ふむふむふむ。なるほど、一部の店では行列が出来るというから、一度並んでみようかと思いつつ、なんだか高いぞ。およそチョコの値段に思えないが、そんな価格でもちょっと食べてみたい欲求に駆られたりする。

 やばい。このコラムは、次の二点によってやばさ爆発である。
 
 まず、太るということだ。最近どうも三食入魂気味で、体重が気にかかる。走れ。走れ。走れ。
 
 そして今日は、よりによってバレンタインデーだ。男子たるもの今日はひとりでチョコレート屋さんには並べない。コンビニですらチョコレート売り場を通ることも避けたかったりする。そもそも、こんな日にこんなことを書くこと自体チョコレートを催促しているようにも聞こえるし、さらには分不相応にして、もらえることを前提としているようにも聞こえるし、万が一、億に一もらえたとして、この雑誌に出ているチョコをもらおうものなら、来月のお返しがそうとう厳しくなりそうだ。コストパフォーマンス悪すぎだ。値段を知ってしまっただけに余計に始末も悪いぞ、きっと。

 だから要らないというわけではなく、なんと言ったらいいか。とにかく、今日じゃなくていいので、一度話題の店のチョコレートを食べてみた買ったりする。どの店にするかは、東京に向かう電車の中で決めよう。せっかく上京するのだから、築地某所のボリビア産の岩塩を使用する寿司を食べた後に、ふらりと京橋にでも向かってみようか。いやいや。そんな早朝からはお店はやっていない。早朝の銀座は意外に時間もつぶせないのだ。別の日でも止む無しか。

 まあ近いうちに、必ず近いうちに、私は京橋三丁目にいるにちがいない。


おしまい

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