やばいぞ ペプシマンではない人のささやき (2003/02/22)

 
 某日、ふと何気なく業界最大手のコンビニエンスストアに立ち寄って、茶でも買おうかとペットボトルのコーナーに行くと、なにやら見覚えのある袋が、すべての500mlのペットボトルにくっついていた。炭酸飲料から、緑茶、ウーロン茶などおよそすべてのペットボトルにPP製の袋がネックの部分にぶら下がっているではないか。

 ドラえもん&パーマンのボトルキャップ全20種類バージョンだった。おそらく来月公開の映画にちなんだキャンペーン商品だろう。これはやばい企画を知ってしまった。ペプシマンシリーズを集めすぎた手痛い思い出がなおも覚めやらぬ今日、ドラえもんシリーズが登場とは、恐れ入ったものだ。しかも今回は、なななんと清涼飲料会社ではなくコンビニエンスストアが企画しているために、ペットボトルの全商品にこのおまけがついているではないか。やばい。ペプシマンの時に、体脂肪率上昇が気になる炭酸飲料ではなく、ウーロン茶につけてくれと懇願したのが、今頃になって功を奏してしまっている。

 やばい。と思いつつ、好奇心を忘れてはいけないと、もう一人の自分に押されてひとつ購入。この場で袋をゴリゴリしては、店員さんに見透かされる。ここはじっと我慢して、「あれ。こんなおまけがついているのか」と、よそよそしい態度でレジに向かうべしである。

 まんまとひとつゲットして、物陰で袋を開けてみる。

 ドラえもんではなく、パーマンだった。パーマンはいらないぞ。ドラえもんがほしい。

 いやいや、いい年こいて、もう騙されない。ペットボトルを買うのは、喉の渇きを癒すため。けっして、ねっ転がっているドラえもんが欲しいわけではないはずだ。だから買わないぞ。男は一人右手を強く握ったのだった。

 しばらくたってから別のコンビニに入ってみた。どのペットボトルにも、おまけはついていなかった。なんだかとても寂しくなった。この作戦にまんまと乗りそうで、身を引き締める毎日が続きそうだ。

 そして、それでもやはり、ひとつだけ明かされていないシークレットのおまけがなんなのか、気になるこの頃である。


おしまい

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