無題 (2003/06/02)

 
 最近、西日本界隈の夜を中心としたパトロールを終えた。関東、関西、中国、一瞬だけ九州を巡る冒険は大変楽しく、各地でお会いした人々にこの場を借りて感謝である。ところで、毎晩泊まる街を代えていると、そこで見るニュースや新聞がとても新鮮に映る。天気予報などは毎日画面というか地形が違うし、東京キー局発信のニュースとは違う地方独特の話題にほっと気を抜いたりする。関東でも全国版ニュースと地方版ニュースがあるが、番組のセットが同じで、時に同じアナウンサーが続けて原稿を読むので、どこからが地方版なのか見境がつかないこともあるし、関東エリアは意外に広く、なじみの薄い地域のニュースはほぼ全国版と変わらなかったりもする。そこへいくと地方では画面ががらりと変わり、あっここからが地方版だといちげんの視聴者でも分かるところが面白い。地元県の町の話題を見るでもなく見るのも旅の一興で意外に面白いのだ。岡山に泊まって地方ニュースのエリアによって初めて岡山県と香川県は情報を共有することを知り、瀬戸内文化の側面を見る思いもする。また地方紙では飛行機の空席情報など、身近な話題も紙面を飾り、旅の情報源としても有効だったりする。

 各地のニュースを読んでいると、ある共通する記事を多く見かける。市町村合併ニュースである。どこどこの市とどこどこの町が合併したり、郡内の町が合併して市に昇格したりするなど、市町村合併の波が確実に地方にきていることを知ることが出来る。合併後の人口などは大都市圏のそれと比べてはいけないが、確実に行政スリム化とコスト意識、地域活性化の波が紙面からうかがい知ることが出来るのだった。

 かたや旅から戻り自宅で紙面を広げると「湘南市」構想がご破算となっていた。神奈川県の3市3町による合併構想だが、各自治体の温度差が表面化し、合併慎重派の市長の当選でご破算となった形のようだが、合併が進む地域もあれば、わが町のようにご破算になる町もある。まあ各位の台所事情などいろいろあってのことだが、首都圏と地方都市との温度差のようなものも感じられ、そうすると何気ない紙面も立体的な面白さを帯びてくるから不思議だなあと思うこの頃なのである。そして今日もコラムのオチを探しつつ、我が湘南ナンバーのフェラーリ(号)は海岸線を走り抜けるのであった・・・。


おしまい


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