石垣島ラー油 (2003/07/31)

 
 巷で話題の石垣島ラー油を某女史よりおすそ分けしていただき、今宵、試してみた。

 なんと !!! この石垣島ラー油を口に含んだ瞬間、強烈な衝撃が私を襲ってくるではないか。液体で、これほどまでの衝撃を受けたのは、数年前INAOグラスで初めて飲んだブルゴーニュワイン(ピノ・ノワール)以来ではなかろうかと思うほどだ
()。(固体では、イベリコ豚、極タン、鮑など結構あるが・・・)。かのピノ・ノワールと同列の衝撃なのだから、全身の細胞が動揺しないはずがない。そもそも私は、ラー油自体を飲んだことはなかったが、各方面から聞こえる前評判の高さを意識しつつ、赤いキャップをあけて一口飲んでみたのだった。とろみのある味わいは、不思議なことにそんなに辛くなく、逆に甘みすら感じる味わいで、香ばしい複雑な香りとともに、実に上品な味わいだった。余韻も強烈なまでに長く、それはあたかも唇にメンソレータムを塗ったのまではいいけれど、唇との境目の皮膚にもたっぷりと塗ってしまい、いつまでもスースーするあの感じのラー油バージョンと表現したくなる感覚なのだ。胡麻の風味とともに、やはりラー油らしい辛味も心に刻まれつつ、ラー油だけを常に味わいたい衝動に駆られたりする。

 凄すぎるかもしれない。私は今までラー油を軽視していたに違いない。ラー油恐るべし。

 焼き餃子にあわせてみた。今回は餃子に全く気合が入っていなかったので(スーパーで買った奴)、完全にラー油の存在感に圧倒されている。普段は餃子はお酢だけで頂くことが多いのだが、試しに醤油とお酢にラー油を混ぜてみると、これまた完全にラー油の一人がちで、醤油とお酢がせっかくのラー油パワーを半減させる効果しか得られなかったりした。お酢も醤油も、ましてや餃子をも排除するラー油の恐るべき味わいに、私の感動モードは頂点めがけてまっしぐらとなってしまった。

 しかし、ラー油は餃子とあわせたい。小田原某所の餃子の名店にマイ・ラー油を内緒で持ち込むか、餃子名人の大森さん(仮称)宅の夕飯時を狙ってラー油だけ持参してみようか、どうしようか、大いに悩むこの頃なのである。そして、ちびりちびりと味わううちに、なくなってしまわないように注意しなければならないのが辛いところである。はやく、このラー油を餃子とあわせたい。ラー油。ラー油。餃子。ラー油。ラー・・・・・・・・・・。

 一本のラー油が、私のラー油人生を変えようとしている。

 某女史に、改めて、この場を借りて感謝なのである。


おしまい


 () 残念ながらこの衝撃には及ばなかったが、わが液体史において確実に私のハートをとらえたものがある。新宿西口の某高級ホテルにオープンしたばかりの某デリカ○ッセンで販売されている最高級オリーブオイルがそれである。某日、支配人の説明を受けながら試飲させていただいたあのオリーブオイルもまた、非常においしかった。きっとオリーブオイルのロマネ・コンティと呼ばれる未試飲の最上級のそれを味わえば、このラー油と同じ衝撃が走るのだろうと思いつつ、それはまた今度のお楽しみにとっておこうと思う・・・。


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