島根の地酒 (2003/10/09)

 
 某日、都内青山某所で「島根の地酒を利酒する会」に参加する機会に恵まれた。日本酒の利き酒会に参加するのは、非常に久しぶりだったが、縁あってちょっとお邪魔した次第だ。実を言うと、私は島根県に行ったことが一度もない(ついでに鳥取県にもない)。未知の県との出会いは、少し緊張する。そして悲しいかな、私は島根のお酒についてほとんど情報を持っていなかった。そういえばどこかでその銘柄は見たことがあるかも程度の知識しかもっておらず、見るもの聞くものが初めての経験で、この歳になってちょっとない気持ちになったりした。会場はホテルの会議室を借り切っていて、14蔵が自慢の銘酒を出品していた。それぞれに丁寧な説明を聞きながら試飲するお酒。せっかくだからすべての銘柄を試飲しようと心に決めてはいたが、あまりの種類の多さに戸惑いつつ、ついつい女性の担当者の説明ばかり熱心に聞く自分が居る。

 「大吟醸」「純米大吟醸」「吟醸」「特別純米」「純米」「本醸造」等々、一度にこれだけの量を試飲すると、日本酒の魅力を再確認する。お酒もいいなあと思いつつ、すべてほき出したつもりでも、ついつい飲んでしまい、結構酔っ払らう。そして、あえなくすべての銘柄への挑戦は断念し、それぞれの蔵の最高キュベ?を試飲させていただくに留まってしまった。至極残念ではあったが、貴重な経験をさせていただき、感謝なのだ。そしてこの試飲を通して、にわかに島根が近づくから不思議である。

 帰りがけに、「しまねパーフェクトガイドマップ」を頂戴した。始めてまじまじと島根県の地図を拝見すると、改めてその縁遠さを認識しつつも、それゆえにいつかは行かねばと思う。島根か。今まで全く意識したことがなかった県が、妙に身近に感じられたある秋の日の午後だった・・・。


おしまい

 
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