パリのスタバ (2003/10/08)

 
 パリの街角にはコーヒーがよく似合う。街のいたるところにあるカフェでは、道にはみだしたオープンテラスの小さいテーブルを囲んで幾人もの男女がコーヒーを飲んでいる。かく言う私も、オープンテラスに座るとちょっとパリジャンなどを気取ってみたくもなるから不思議だ。パリのカフェはフランスのガイドブックによく登場する風景のひとつだが、フランス語の教材でも指摘されているように、パリのカフェは年々減少傾向にあるという。その減少傾向に輪をかけるかもしれないニュースを目にした。

 来年、フランスのパリのオペラ座近くの目抜き通りに、アメリカ系コーヒーチェーン店のスターバックスが進出するという。フランスには、ずいぶん前から同じくアメリカ系のハンバーガーショップのマクドナルドもあるが、スタバの上陸はパリの象徴とも言えるカフェに旋風が巻き起こすかもしれない。コーヒーはカフェで飲むという習慣が、紙コップ片手にシャンゼリゼを歩くというスタイルに変わるかもしれない予感が、ちょっとぞくぞくさせる。

 スタバがパリジェンヌの心を射止めるかどうかは分からないが、マクドナルドのあの盛況ぶりをみると、行列のできる店になる確率は極めて高いだろう。パリの風景が変わるかもしれない。隣でスパスパされる煙草の煙が目に染みることなく、コーヒーが楽しめるかもしれない期待感とは裏腹に、カフェでゆったりと過ごす時間も失われないかと思いつつ、ふと気がつけば、パリに寄ることも少ない私には、あまり関係のない話かもしれなかったりする。

 パリで味わうスタバはどんな味がするのだろう。

 多分、日本のそれと同じなんだろうなあ(注)


おしまい

注 マクドのメニュは日本のそれとはかなり違う。月見バーガーとかは、ないっす。


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