担当官 (2003/10/17)

 
 先日、いろいろあってお役所というところに行ってきた。なにぶん不明な点も多く、いろいろ相談にものってもらおうと思って、不慣れな場所に行ってみたのだ。受付で案内された部署の前で緊張気味に座って待っていると、現われた担当官は、どこかで見たことがあるような顔をしていた。ん。こちらが気付くより担当官の方が私の存在を確認したようで、「ひさしぶりじゃん」と声をかけてきた。担当官は、高校時代の同級生だった。10数年ぶりの再会だった。誰が何をやっているとか、誰が結婚したとか、まだしてないとか、別れたとか、お互いが知る友人たちの近況の確認をしたりして、久しぶりの再会に心も和んだりした。思いもかけないところで再会すると、ちょっとびっくりだが、彼も大いに出世していい感じなのであった。しかし、である。高校時代の彼を知る者として、彼の(中略)を見るにつけ、時の流れというか、歳月の重みもまた同時に感じざるを得ない現実が厳しかったりする。お互い歳をとっていくなあ、である。

 そして私の肝心の用は、「ああ。これね。これで大丈夫。こっちでちゃんとやっとくから大丈夫。」という何とも心強いというか、何ともよく分からないというか、なんともスルーパス的な対応になってしまった。まあこちらとしても急ぐ用ではないので、まあいいかと次の訪問者に席を譲ったりした。

 しかし、この分野の担当官が友人であるというのは、何とも心強い。今更聞けない質問も、お酒の席でなら聞けそうで、今度一杯飲みながら、いろいろ相談にのってもらおうかと思ったりする。ん。これって癒着っていうのかな。酒代をこちらで持ったら、彼の立場が怪しくなるのかなあ。贈収賄という言葉が脳裏をよぎる。しょうがない。奢ってもらって飲みに行くことにしよう。やむをえん。何を飲もうか・・・。ワインより芋焼酎の方がいいかな・・・。

 役所をあとにして、もらった名刺を眺めると、立派な肩書きがついていた。歳相応よりも上の肩書きが、うらやましくも思われつつ、つまりはそういうことなのかと思ったりするこの頃かもしれない(意味不明かな)。


おしまい


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