モロッコ風味のスープ (2004/04/01)

 
 フランスのお土産といえば、フルール・ド・セルと呼ばれる塩か、マスタードかクノールカップスープのモロッコ味の粉末スープが定番中の定番だが(自分調べ)、今宵どうも腹が減ったので、誰かに渡しそびれていたモロッコ味のスープを楽しんだりした。

 裏書によれば、沸騰した水一リットルにこの粉末スープをいれ、適当にかき混ぜながら5分ほどに立てれば完成とある。数ヶ月前に大森さん(仮名)宅でも楽しんでいるので、もうここらへんの作り方はお手の物かもしれない。裏書は当然のことながらフランス語だが、こんな身近なところからもフランス語の勉強はできるので、そう悪くはなかったりする。

 出来上がったばかりの赤身系の熱々のスープをスプーンですくい上げると、意外にとろみがあり、トマトや羊のひき肉、豆、パスタの細くて小さいやつなどがふんだんに入っていて、粉末のイメージからは予想外に、具が多いスープだったりする。エスニック風味で、気持ちか辛口の味わいからは、遠くモロッコのお国柄を想像しつつも、アフリカ大陸へは一度も足を踏み入れたこともなく、確か性転換手術が出来る国だったような違ったような、カサブランカという町はこの国でよかったのだろうか、お隣の国だったかな、カサブランカは白い花という意味なんだよなと、全然味に関係ないことを思いつつ、どうもイメージがしにくかったりした。なぜにフランスのお土産に、モロッコ味のスープだったっけ。フランスには歴史的な背景がありアフリカ諸国出身者も多く、モロッコは地中海を挟んで向かい側に位置しているので、そんな感じでモロッコなのだろう。(全然説明になっていないような気がしないでもないが・・・)

 この辛口スープは、かなり濃い味付けで、後味に辛味も残り、なるほどお土産にもらって、数年に一度楽しむにはちょうどいい味わいかもしれない。日本法人もある会社が日本で商品化しない理由も感じつつ、ケミカルな余韻ではない後味が、やはり粉末スープの限界を知ったりもする。しかし、異国の味わいを堪能するという観点を持ってすれば、とても興味深い味わいであり、裏のフランス語を解読すれば、きっとモロッコも近い国になるだろうと思いつつ、4人分の一袋を飲み干してからに、意外に好きな味かもしれないところが、あはは、ではある。

 ところで、このスープは本当にモロッコのスープなのだろうか。日本のインスタントみそ汁と、ちゃんとしたみそ汁ほどの違いだけであるならば、その近似値からして、おそらくは、ずばりとは言いきれずとも遠からずの味わいなのだろう。一度試してみたいものである。

 誰かに渡すはずだったモロッコ風味のスープ。フランスのお土産としての位置は、気持ち揺らぎつつ、それでもフランス(とモロッコ)でしか買えそうにない逸品のため、しばらくはこれをお土産にする旅も続きそうである・・・。


おしまい

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