なんだかなあ その3 (2004/04/24)

 
 先週、今週とワインの試飲会に出かけることが多く、いろいろなワインやワインを愛する人たちとの出会いに感激の毎日を過ごさせていただいたが、ふと、なんだかなあと思う場面にも数多く遭遇し、ワインの違う側面をみる思いがして、なんともかんともである。

 それは、ある酒販店向けの試飲会でのこと。会議室の一室を借り切っての試飲会は、壁伝いに各種お勧めワインが用意されていて、簡単な説明書とともに自由にワインを試飲できるスタイルだった。人気のあるインポーターのためだろう、会場はかなりの賑わいを見せていて、皆真剣にワイン選びをしていた。会議室中央にはテーブルがあり、お口直し用のパンと水が用意されていた。数名かは椅子に座りながら、最近の業界の話やら誰かの噂話を、ワイン片手にしているようだった。まあ、ここまでならよくある試飲会風景である。ところがである。よくみると変な人もたくさんいるのだ。明らかに、ワインを飲みに来ている人や、あちらでは、昼食一食分抜けてラッキーみたいにパンをもりもり食べている人がいる。こちらではワインがかなりまわったとみえて、椅子に座りながら、があがあと寝ている人もいる。むむむ。確かにワインの試飲では、いくらテイスティングに徹してもいくらかは飲んでしまうことも多く、自分も含めて皆赤ら顔になったりするし、多忙の折、遠方から駆けつければ疲れもドット出るだろうとは容易に想像できる。要は程度の問題だったり、モラルの問題だったりするのだろう・・・。

 しかし、ワインを扱うプロフェッショナルとして、試飲会場でパンをもりもり食べたり、があがあ寝たりしてもいいのだろうか。この人たちはいったい何しに来てるんだろうと思いつつ、「ワイン選びは酒屋さん選びでもある」という誰かの言葉が重くのしかかってきたりする。まあ、そこで寝ている人が扱うワインを飲むことは金輪際なさそうなので、ドウデモいいことではあるのだが、どうも収まりのつかない風景なのであった・・・。「これが現状だよ」と顔見知りの某氏が囁いた一言が耳に残りつつ、試飲会場を後にすると、そこは、昼間はぽかぽか陽気なのに、夕暮れ時はヒンヤリするなあと思う花の都大東京の春の街並みが展開されているのであった・・・。

 ワインはアルコール飲料なので、味わい以外にもいろいろあるなあ。


おしまい


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