手を洗いたくなる石鹸 (2004/05/27)

 
 最近やたら手を洗っている。

 理由は単純で、フランス製の液状石鹸(マルセイユ石鹸)のグレープフルーツのフローラルな香りが、いい感じだからだ。この液状石鹸は、手を洗ったあとでもしばらく良い香りが体の周りに漂い、とても穏やかな気分にさせてくれて、あっ、あの石鹸使ったねと一発で分かる香り立ちに、ちょっとしたマイブームだ。

 液状石鹸はフランス語が全面に書かれたお洒落なガラスの瓶に入っていて、ワインセミナーを開催している平塚のブラッスリー・アッシュエムや甲府のエスパス・カルチュール(みゆきやさん2F)、神楽坂のメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュのトイレにも常備されていて、ワインの話もそこそこに、トイレに行ったら是非その石鹸で手を洗ってねと連発するもんだから、私の周りにはかなり知られた事実だったりする。そうか。私がセミナーをやっているお店には必ずあの石鹸があるなあ・・・。

 実は自宅にも一本ある。裏の注意書きを読むと、洗顔や洗髪にもいいようで、某日洗面台からお風呂場に持ち込んで使ってみた。良い香りがする。調子に乗って、ボディ洗いにも使ってみた。これで全身グレープフルーツの香りにつつまれて、穏やかな夜が期待できそう・・・、と思ったら、妙に肌が突っ張って、なんだかちょっと居心地も悪いから不思議だ。どうやら全身洗いには向いてないようで、注意書きをよく読めば洗顔・洗髪の文字はあってもボディ洗い用とは書いてないから、納得だったりする。

 しかし、ちょっとした手洗いには最高の逸品であることに間違いはなく、数種類ある香りバージョンを全部集めたい衝動に駆られつつ、意外に安くない価格設定に戸惑ったりするから面白い。今度フランスに行った時にでもお土産に買ってこようかと思いながらも、ガラス瓶は結構重く、持ち運びにも不便で、ワイン以外の液体の輸送はちょっとためらいがちな今日、上記三ヶ所のお店に通っては、いつもより多めに石鹸を使わせてもらおうかと思ったりするセコイ考えに、我ながら一抹のサミシさを感じつつ、封を切ったばかりの自宅の石鹸を思う存分楽しもうと思う風薫る五月のひと時なのであった。


おしまい


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