とろいトロイ (2004/05/29)

 
 某日、ブラッド・ピッド主演の「トロイ」を近所の映画館で観てみた。

 個人的には、イケメンの俳優陣よりも、トロイの木馬関連の史実自体に大変興味があって、それはフランス料理のルーツを探る動機にもなり、かなり楽しみだった。しかし残念ながらというか、当然のことながら、フランス料理の文献にまつわる話や小道具は、地味すぎて、壮大な戦争シーンや一騎打ちの格闘シーンに圧倒され、見逃したか、そもそも見当たらなかったのか、だったりした。

 映画そのものはハリウッドらしいスケール感と躍動感に満ち、かなり面白かったが、少しばかり気になるシーンがあった。それはブラビのラブシーンなのだが、青少年のなんたらに配慮してか、女性の裸体が映像的にカットされているのだ。もちろん、そんなものを見に行っているわけではないので(たぶん自分調べ)、どうでもいいことなのだが、意図的なカットシーンに、どこぞの圧力みたいなものを感じたりした。気のせいだろうか・・・。

 気になるといえば、英語の台詞回しもそのひとつ。先日の「ラストサムライ」での渡辺謙の流暢な英会話に覚えた違和感と同じものを、古代ギリシャを舞台にした俳優陣の英語に感じたりする。何で英語なんだろう。ハリウッド映画だから、当たり前といえば当たり前なのだが、英語はちょっと興ざめかもしれないと思ったりした。当時の人たちは、きっと英語はしゃべっていなかったに違いないからだ。まあ、いいのだけれど・・・。

 そしてこれは本筋に関連するので、言葉も濁しがちだが、日本語でドン臭いやつを「とろい」と表現するが、トロイ最後の王の決断力を見ると、どうもその語源あたりにも関連していそうで、意外な面白さを発見したりするから、あはは、である。
 

おしまい


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