ほったらかし (2004/08/24)

 
 なぜだかありがたいことに、最近は山梨県を訪れることが多く、じつこのコラムを書いた後にもワインのイベントで甲府入りするわけで、関係各位にこの場を借りて感謝しつつ、山梨のおもしろいスポットなどを紹介してみたい。

 甲府盆地を肌で感じるには、山の頂上に行って全体像を眺めるのが一興かと思うが、そんなとこに温泉があったりしたらいいなあと思っていた。日頃、ワインでお世話になっている盆略さん(仮名・・・というよりこちらのお名前の方が地元には通りがよい)の紹介というかお勧めがあり、今回そんな温泉でくつろぐことに恵まれた。

 甲府市の隣、山梨市の笛吹川フルーツ公園の中をずいずい走りぬけて、これ以上道はなさそうなところに、その温泉はあった。名づけて「ほったらかし温泉」。ナイスなネーミングである。ただし名前に反して、料金の徴収はほったらかしてくれないので(笑)、料金支払いの義務を負った後に、その名の通りほったらかし状態になる、ようだ。ここは、甲府盆地を見下ろし、富士山を望む絶好の場所にあり、開放感溢れる露天風呂が特徴で、時間制限もなさそうなので、日がな一日のんびりと過ごせそうな感じがお気に入りかもしれない。浴場は、同じ敷地内にありながらも「あっちの湯」と「こっちの湯」に分かれていて、それぞれは別料金。営業開始時間も微妙に異なるようで、自分が「どっち」に入ったかは、ちょっと分からなくなってしまったが、大人500円で入れるので、まあ気の向いた方に入るのがいいのだろう。

 山の上にあり、車がないと不便なので、地元の人というよりは、観光客の方が多そうな感じもあるが、甲府盆地の、なるほど本当に盆地なんだという景色を眺めながら、冬場にきたら富士山も美しく眺望出来そうで、今度は季節を変えて訪ねてみたいと思いつつも、夏タイヤでは山坂道も厳しそうなので、スタッドレスタイヤも装備して、山登りにかけてみたいと思ったりする。

 ところで温泉の設備的には、充実しており、銭湯が山の上にあって、しかもそれが温泉で、露天風呂だった、という感じがあり、体もゴシゴシ洗えるし、豊富な湯量にたっぷり体を沈め、板張りにねっ転がって、大地の風を大いに楽しむのもよさそうだ。泉質はアルカリ性単純泉のよう。残念ながら?、混浴ではないが、ぬるめのお湯にゆったりと体を沈めれば、ストレスも発散され、大いにリフレッシュすることも出来るだろう。山梨の温泉デビューとしては、悪くない温泉だろう。

 場所は山梨市駅から山を登り、奥さんが美人で、ご主人のワイン造りの闘志も漲る金井醸造場の葡萄畑を通り過ぎて、フルーツ公園の駐車場を横切って、ひたすらてっぺんを目指すと、ほんとにこっちでいいのかなあと思ったころに到着する。駐車場は大変大きく、屋外眺望テラスもあるので、夏場はセミの声を頼りに訪ねるのもよさそうだ。

 さて。次回はどこの温泉にいこうかな。

おしまい

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