日本の中のフランス (2004/10/28)
 
 東京・神楽坂・・・。ここは近くに日仏学院がある関係で、フランス人に出会う確率が高く、ブルターニュ出身のオーナーのクレープ屋さんがあったり、かく言う私がセミナーを行っているお店もフランス人のオーナーが経営しているが、そんな神楽坂にあって、「あっフランスにいるみたいだ」と思わせたビストロがある。

 店の名は、「ビストロ・ル・クロ・モンマルトル」。日本人には発音しにくいというか覚えにくい名前なのもまた一興で、オーナーはもちろんフランス人のジャニックさん。日本語も巧みに操るジャニックさんの人柄がお店にも反映しているようで、その夜訪れた時には、お客さんの半分はフランス人。フランス人に支持されるお店という安心感が、明るい店内のビストロらしい装いに重なり、かなり好印象なのだ。そういえばニュイ・サン・ジョルジュのビストロにここに近いお店もあって、フィリップ・パカレやレシノー兄弟などのワイン生産者たちが仲間と語らっている姿をイメージしつつを連想しながら、ビストロ・ル・クロ・モンマルトルの店内は日本的な清潔感も漂い、何とも親近感を覚えたりする。

 まだカウンターに座って、ボルドー系のグラスワインしか頼んだことはないので、料理の味わいについては不明だが、フランス語に耳を寄せたり、ここでフランス人の仲間を作ったりして、日本に居ながらにしてフランスを堪能するのもいいかもしれない。場所もちょっと地味な場所にあり、隠れ家的に使えそうなのもいい。連れ込み宿・・・みたいなホテルも近くにあるので、ご用命の際は是非かも(笑)。

 そしてこのお店のアットホームな雰囲気をよく現しているものが、ショップカードだ。セピアカラーの名詞には、ソムリエ某氏に日本人のおじいさんが穏やかに語りかける姿が印刷されていて、そんなフランス的な光景に憧れを覚えながら、その写真の現場に居合わせたような、そんな親近感が嬉しくなる。

 場所はJR飯田橋駅西口を右に出て、神楽坂の坂を上りつつ、仲通りのコンビニを右折して、中華料理屋さんのあたりを再び右折した左手にある。常連さんには、三国連○郎さんもいらっしゃるとのことで、運がよければ、会えちゃうかもしれない。今度のセミナーの時は、少しばかり早めに神楽坂に入って、このお店でカフェなど楽しみつつ、フランス語を堪能したいと思う。


おしまい


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