花粉に挑むある男の選択 (2005/04/01)

 
 今回は有効的なティッシュペーパーの使い方について。

 自宅でパソコンに向かっていると、不意打ちを食らったかのように突然鼻水が流れるこの頃であるが、この鼻水対策のために、有効な手段としては、ティッシュペーパーの両穴埋めがその筆頭に挙げられることだろう。鼻の両方に穴にティッシュを突っ込むという伝統手法に則って、鼻水対策を試みるわけだが、そのティッシュペーパーの詰め方について、考察してみたい。詰め方には大きく分けて、「M」型、「U」型、「ハ」型の三つが代表的で、それぞれには長所もあれば弱点もあるので、嫌気的条件や水分比率との兼ね合いにより選択すべきと考えられる。

 まずは、「M」型であるが、これは一枚のティッシュを同じ方向に3回折り、ちょうど長い長方形ができたところで、ひねりを加え、フタコブラクダの要領で、山を二つ作り、それぞれの頂点と鼻の穴の凹部分を合致させる方法である。鼻の穴にティッシュのエッジ部分を接触させず、丸みを帯びた形状にすることで鼻の穴の中でのくすぐったさを回避することができる。一枚のティッシュで両方の穴を効果的に埋めることができ、ティッシュをちぎる手間も省略できることがメリットであろう。しかし、水分含有率が限界点を超えるとその重みによって、同時に鼻から離脱する恐れがあり、また「M」字も大きくなりがちで、コップの水を飲むときはティッシュ全体を片手で押し上げ、ティッシュが濡れることに警戒しなければならない。

 その点、「U」型ならば、ティッシュの挿入深度を高めに設定すれば、ティッシュの顔面上における表面積を少なくすることができ、コーヒーを飲むときに余計な心配をせずにすむことになるが、一方でティッシュのエッジの部分が直接鼻の穴の皮膚に接触することになり、くすぐったさの原因にもなる。「U」型はティッシュのほとんどを鼻の穴に埋めることになり、炎症を起こす皮膚との微妙な接触を助長するため、個人的にはこの方式はとらないことが多い。

 では「ハ」型はどうだろうか。この方式の最大のポイントは、ティッシュを二つに切断し、それぞれの穴に最適な量のティッシュを挿入できることにある。右と左とで予想水分放射量が違う時に威力を発揮し、また挿入部分のティッシュの堅さや量を調整できるメリットがある。しかし一方で、両方の穴の水分連動性を感知する能力が低く、別々に交換できる反面、ティッシュを常に半分にちぎらなければならない運動量の非効率化も問題になっているようである。また「ハ」型は、ティッシュを堅く丸める傾向が強いことが経験則から分かっており、酸素の通気性が極端に落ち、嫌気的状態に陥りやすく、鼻呼吸の中断を余儀なくされる最大の欠点を挙げておく必要もある。

 酸素供給量の観点から検証するならば、「M」型の体内含有率が最も低くなりやすいことから、(そのためにコップ内の水との接触リスクが大きくなってしまうのだが・・・)、両方の穴にティッシュが詰められている状態にもかかわらず、気道も確保できるのである。酸素供給に配慮すれば、「M」型が最適になるが、傍から見れば、花粉症なんですねと公言しているようなものであり、即座に片方だけを引き抜くことができる「ハ」型には、「実は鼻血なんです」と言い訳できるメリットもあるので、第三者との遭遇リスクを計算に入れて、選択する必要があることは言うまでもない。もちろん最大の水分含有能力と酸素供給量の低下阻止を優先的に配慮し、鏡に映ったときに感じるであろう情けないほどの見た目のブサイクさを押さえつけてまで、実益最優先の原則に従えば、自ずとティッシュの装着方法は選択できるのである。

 さあ、ティッシュを程よい形に整えて、

 今回は「M」でいく? それとも「U」でいく? 「S」でもできるかも。

 お馬鹿な話ですみません。花粉がついに脳みそに到達してしまったみたい・・・。

おしまい


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