ゴキブリと蚊の運命 (2005/07/19)

 
 なんと、わが部屋に久しぶりにゴキブリを発見してしまった・・・。

 深夜遅くに帰宅して、部屋の電気をつけると、そいつは天井近くの壁にごそっと動いたかと思うと、じっとしていた。ゴキブリを見たのは久しぶりで、妙な感動を覚えつつ、さてこれからこいつをどうしようかと考えた。手元にはCDを買った時のビニール袋があり、とりあえずそいつの口元を開け、捕獲作戦を試みることにした。

 口を開けて、タイミングを計り、「いっせいのっせ」とひとり呟きつつ、天井すれすれに袋をあてがうと、何と一発でゴキブリを捕獲することができた。で、その袋をひねりつぶすこともできたが、個人的にゴキブリをつぶしたあとの、あのなんともいえない汚れ感が好きではなく、命の尊さも心をよぎり、窓をかけて無罪放免、開放してあげたのだった。

 ゴキブリが袋の中でゴソゴソと動く音が、どうも嫌いで、なんともあれだが、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」よろしく、あの世の入り口で何かいいことないかと思いつつ、窓を閉めようとしたその隙に、一匹の蚊が部屋に飛び込んでしまったのだ。おっといけない。これでは私の安眠は、約束されないぞ・・・。

 ということで、ゴキブリにみせた寛容さは、消滅し、耳元に飛んでくる前に、全包囲網を構築し、蚊の撃退に神経を集中させて、しばらく格闘した後、静かな夜を確保したのだった。

 あの世の入り口で、どうか蚊には会いませんように・・・。ゴキブリよ、そこんとこ夜露死苦。


おしまい


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