そんな居酒屋に行きたい (2005/10/04)

 
 新聞に寄れば、居酒屋チェーン大手のワタミが、グルタミン酸ナトリウムなどの化学調味料を一切使用しない居酒屋を11月後半から展開するらしい。この試みが実現すれば、全国初とのことで、このニュースにひとり喜んだりしている。

 そういえば、最近、居酒屋に行ったことがない。最大の理由は、「とりあえずあそこの居酒屋でいい?」という仲間が近所にいないためであり、「今、横浜で○○なんかと飲んでるから、すぐおいでよ」みたいなお誘いもここ数年とんとご無沙汰しているためであろう。それになりより、チェーン店系の居酒屋の料理は、塩や油やらバターやら化学が多く、ただ温めただけ、ただ封を切っただけのメニュも多く(今は違っていたらすみません・・・)、そういう料理は胃がもたれてしんどいから、自ら率先して行こうとは思わないのだ。

 そこへ、このニュースである。

 ワタミは傘下に農業生産法人を抱え、野菜を自らが栽培しているのも好印象だが、「自然のうまみ」で勝負しようという、その心意気がいい感じである。化学調味料なしのメニュ作りは相当の苦労があったとそのニュースからも読み取れ、また化学に汚染された若者たちには受けも悪いようで、客層を30代以上に絞り込まなければ採算ベースに乗らないというが、オープンした暁には、真っ先に食べに行きたいと思わせる志の高さを感じさせてくれるから面白い。

 また同時に、この試みが成功すると、生半可な和食屋さんは、その立場を追われそうで、和食業界の起爆剤になったり、全体の底上げが実現したりするんだろうかと、思いつつ、私は私でいつもの某店で、通称ジャコ・ビアンコを注文しつつ、白いご飯を食べたりするのだった。

 何しろこのニュース、毎日新聞の一面トップ(10/2朝刊)を飾っているくらいだから、いかに既存の居酒屋さんが化学調味料味に染まっているかが逆説的に読み取れてしまうところが、これもまた一興なのである。そして、ワタミの成功を祈りたいと思う。

おしまい


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