ベルギービールの魅力 (2006/02/28)

 
 最近、小田原市内某所の回転寿司の西尾店長の影響で、ベルギービールの魅力に嵌っていて、その回転寿司以外では、自宅でちびちび楽しませていただいている。ビールを大別すると下面発酵ビール(ラガー)と上面発酵ビール(エール)に分かれるが、ベルギービールを特徴付けるものとしては、上面発酵系のトラピスト・ビールと、同じく上面発酵の一種であるランビック(自然発酵)があり、まさにそれが私の大のお気に入りになっているのだ。

 なかでも個人的にはランビック(LAMBIC)に注目している。これはベルギー地方のランビック(LEMBEEK)地方で作られるビールのことで、ワイン、特に自然派ワインとの共通項も多く(メリットもデメリットも共有している・・・)、泡立ちは悪いが、酸味の利いた複雑な味わいは、いわゆる普通のビール(ラガー系のうちのピルスナー)に慣れている人には、およそビールとは思えない不思議な飲み物だったりする。ラガービールの「切れ」はなく、あるのは一種の癖だからだ。

 しかし、これに嵌ると、結構はまってしまう。自然派ワインに嵌っていくように・・・。

 手元の本に寄れば、ランビックは、3種類あり、それは熟成の違いをブレンドして造られる「グーズ(gueuze)」、フランボワーズなどの果実を漬け込んだ「クリーク(kriek)」、そして砂糖やカラメルを添加した「ファロ(faro)」に分けることができる。これらは一般的な酒屋さんではなかなか入手できないが、ひとたびその魅力に嵌ってしまうと、ネットショップを駆け巡りつつ、最終的に小田原の某回転寿司にたどり着いてしまうところが、不可解ながら大変面白かったりする。

 ランビックは、それを数本飲む場合、ストーリーが描きやすい。フランボワーズの酸味をアペリティフにし、グーズのブレンドの妙を楽しみ、そしてファロでコクのある味わいを楽しむ。軽から重へ。ワインにも似たその風味は、ワイン好きにはとっつきやすく、しかしビール党には、「なんじゃこりゃ」と言わしめそうな不思議さがいい感じなのである。

 ランビックはワインと同じく、初心者には馴染みがない分、わかり難く、右往左往してしまうので、個人的には良き水先案内人が必要だと思われる。それは時にベルギービール専門のバーだったり、時に回転寿司だったりするわけだが、ベルギービールの味わいから、その歴史や文化まで唾をハキハキ説明してくれる姿を拝見しつつ、いろんな形のビールグラスにて、ベルギーの風土を楽しむ作業は、とても愉快で、ハッピーなのである。

 ベルギーといえば、フランスからも地続きで、車でひょろっといける距離だ。ここはもう次回の渡仏の際は、ランビックとトラピスト共にぐるりと巡らなければならないだろう・・・。今からとても楽しみなのである。しかし、まずは、とりあえず、白ビールの代名詞的存在の「ヒューガルデン・ホワイト」でも飲みながら、今後のスケジュールを調整してみたいと思うこのごろなのである。
 
 おしまい


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