味噌汁は、どこまでまずくて大丈夫か (2006/03/28) |
ちょっと過激なタイトルをつけてみました。
「味噌汁はどこまでまずくても大丈夫か???」 某所に「うまい」で評判のとんかつ屋さんがありますが、ここのとんかつは確かに皆が言うように、ある一定のレベルは維持していて、たまに旨いとんかつが食べたくなると、まずは真っ先にここが頭に浮かびます。しかし、このとんかつ屋さんには個人的な不満があって、それはお味噌汁が、なぜか致命的においしくない、というものなのです。過去三回の訪問では、自分の体調が悪いのかと訝るほど、必ず味噌汁は駄目で、アサリの味噌汁の時は、何でこんなにうまみがないんだろうと、不思議な感覚を覚えたものでした。また定食に添えられるおしんこは、ほぼ壊滅的にケミカル系で、もう食べないことに決めたりしています。 とんかつは旨いが、味噌汁とおしんこが駄目。 こんなお店にはどうしたらよいか少し箇条書きにしてみましょう。 1.味噌汁は、「うまみ」の基本ゆえ、それがまずいとなれば、二度と行かなければいい。 2.メインのとんかつは悪くないのだから、味噌汁は飲まなければいい。 3.メインのとんかつは悪くないのだから、味噌汁がまずいことを店主に伝えたほうがいい。 4.味噌汁の本を意図的にお店に忘れて、それとなく伝えたほうがいい。 料理がまずいお店は、基本的に二度と行かなければそれで済むことと思いつつ、部分的においしいお店の場合は、ちょっと困ったりします。正直に味噌汁の感想を伝えて、それによってより親密な関係を結ぶほうがいいのかもしれませんが、それがほかの料理ならいざ知らず、味噌汁といえば、日本の食卓の基本にして、これがおいしくないとなれば、致命的な傷を持っているという説も有力で、どこまで当主に伝えればいいのか悩ましいところだったりします。味噌汁がまずいと指摘して、直るものなら、そもそも料理人としてどうなのかという説もありますから。そして、それはご主人のコックコートの白さにかけて、指摘しづらいのだから致し方ありません。 そしてこの金額の設定にも考慮すべきでしょう。物価の高いこの国で、空腹を満たすために日常的に食べざるを得ない1,000円前後のご飯に、うまいだ、まずいだと批評しても、そこには低い限界が存在しますし、その価格設定でうまみ調味料の使用を否定するとなると、この国では食べるものがなくなってしまいそうだからです。飢餓を満たすための食事なら、とりあえずはなんでもいい。(だから私は腹が減った時は牛丼系の定食やコンビニ弁当をコストパフォーマンスを最優先するがゆえに、選択しています。)。しかし、「食」を楽しみたいのなら、話は別で、日本人の食の原点にある味噌汁はまな板の上に載ってしまいそうです。 味噌汁がまずいが、とんかつは悪くない店。 やはり私の選択は1.になりそうですが、一刀両断に「行かない」と決め付けるには、ここのとんかつは、それほど悪くなく、この店を行かないお店に含めてしまうと、いよいよ食事をする場所は少なくなり、でもあの味噌汁を想像しただけで、気分はげっそりするので、結局は行かなくなるのかと思うと、いよいよ悩ましかったりします。そして、しばらくは、とんかつが食べたいと思わないようにして、日々の生活を送ることにしようと思います。誰かのリクエストに応えてそこを訪れた時、お味噌汁がおいしくなっていることに期待しつつ・・・。 おしまい Copyright (C) 2006 Yuji Nishikata All Rights Reserved.
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