桜の本数を数えていたら (2006/04/05) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
桜並木を車で通り抜け、とりあえず、何本あるのか無意識に数えだした時、発音の妙に気づいてしまった。1本、2本、3本・・・。木を数える時は、本という単位を使うが、これを発音すると、いろんな変化が見られるから面白い。
本は、その前に何もなければ、清音の「ほん」(HON)と発音されるが、ちっちゃい「つ」(=なんというんでしたっけ?)のあとでは、ぽ(PO)と発音されている。そして注目すべきは、「ん」のあとで、二通りの発音に分かれるところである。サンボンとヨンホン。なぜ3だけがBONと発音されるのだろうか。おそらく発声学的には的確に説明されるのだろうが、究極はその発音のしやすさに起因するものと思われる。3=サンは、フランス語的にはCINQ(= 5の意 = サンク)の発音に近いようで、口を横に広げて発音するのに対し、ヨンは口を尖らせて縦に広げて発音し、それはフランス語的にはCentの発音に似ているような気がしている。で、続いて発音する「ホ」という発音は口を縦に広げて発音するような気がするため、縦縦という口の動きになるヨンホンは、その連続性のために発音しやすいが、横縦と口を動かすサイボンは、口の動きが複雑で、口を横の動きから縦の動きに変更する時に、唇の摩擦を利用したほうが滑らかな発音ができるために、BONと濁るのではないかと推測されたりする。そういえば、フランス語はHは発音しないので、その辺の口の動きに関連しているのかもしれないと思ったりもする。 フランス語で、500はcinq cent (= qは発音せず、サンソン)で、最初のサンは横広げ系で、次のソンは縦広げ系である。(と習った)。この口の動きは3本の発音に似ていると思ったりするのは私だけだろうか。フランス語の500と日本語の3本には、発声的な共通項があるような気がして、楽しいなあと思いつつ、桜の木が何本植わっていたのか、途中から判らなくなってしまうこの頃だったりする。 おしまい Copyright (C) 2006 Yuji Nishikata All Rights Reserved.
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