美しいものは、おいしい (2006/11/06)

 
 最近、隆太窯のビアコップが大にお気に入り。

 先週発売のキザンの甲州2005もこのコップに入れても大変おいしくいただけるし、缶ビールをこの器に入れ替えれば、クリーミーな泡立ちが、なんともうれしくほろ酔い気分になる。かつてミスターチルドレンが「顔の割りに小さな胸を・・・」と歌ったように、意外にちいさなコップを右手で包み込むようすると、手のひらに小さな三角形が出来上がり、その三角形の美しさにしばし見とれてしまったりするのだ。おおよそ100ccほどで満杯になるその器は、飲み物の温度を手のひらに伝えてくれて、冷たいものは冷たく、温かいものは温かく、その液体の温度を素直に私に伝えてくれるから、酔うほどにその喜びは増してくる。

 美しい器は、お酒を、ワインを、美しく、そして楽しくしてくれる。

 モノは器とはよく言ったもの。いい器ほど、手に馴染み、そして毎日使うほどにその良さも喜びを新たにしてくれるからありがたい。ひとつひとつは決して安いものではないけれど、毎日、毎晩それを使うほどに、結局は安い買い物だと気づかせてくれるところが、本物の凄みなのかもしれない。

 このコップでワインやビールを楽しむ機会は、普通の生活をするならば、一日に一回しか訪れてくれない。(だいたい夜しかないでしょう・・・(笑))。毎晩楽しもうとしても、一年で365回限りのお酒の席。せっかくならばいい器で、その美しさを体感したい。そのうつくしさは、結局はおいしさにつながり、悦びに繋がってくると信じているから・・・。

 隆太窯の南蛮コップに、ビールを注ぐだけで得られる幸せを、食卓に、ぜひ。おいしいなあ。

 写真提供 = 隆太窯 (転用・転載はご遠慮ください)


おしまい

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