美しいサービス (2006/11/28)

 
 最近、サービスの美しさに心惹かれている。

 レストランでサービスをされるとき、もちろんお料理が運ばれる時は、ウキウキしながらそのサービスを拝見することは多いのだが、片付けられる様に注意を払うと、そのサービスの美しさに心和むときがある。一度に何枚かのお皿が片付けられる時、そのときのお皿の中を見ると、残ったソースの上に、フォークとナイフがきれいに整頓され、美しく片付けられているときがあるのだ。もちろん、高級フレンチや高級ホテルでのサービスでは、それらは当たり前かと思うのだが、これがカジュアルなお店やケイタリングサービスでもそれを展開されると、そこに強烈なプロ意識を感じてしまう。

 おいしい料理は、片付けられてもなお、美しさを持っている。

 カジュアルなお店では、スペース的に配膳コーナーが、お客さんの近くに設置されているケースが多い。トイレなどでその横を通り過ぎるとき、フォークやナイフなどの準備状況を見ることがあるが、ここでなにげなく注意を払うなら、そのお店のスタンスも垣間見えて、楽しくなってくる。フォークもナイフもスプーンも、きれいに整列してその時を待っている。美しいお料理は、細部にわたってその美しさが保たれている。そう信じるこのごろである。

 レストランで食事を楽しむとき、お料理そのものがおいしいのは必要条件だが、サービスのタイミングや技術がすばらしいと、とてもハッピーになる。それはサービスのプロとして、プロの仕事を体感できるからだ。プロの仕事には、喜んでお金を払いたくなる。素敵なサービスを受けると、おいしい料理は、料理人だけが作るのではなく、スタッフ全員が作り上げるものだと気づかせてくれる。料理に対するリスペクトが、サービスに現われる。そんなシグナルをお客として見逃しては、せっかくレストランで食事をする楽しみが半減してしまうと思ったりしつつ、美しい配膳に、私は、心うきうきなのである。

おしまい

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