2006年の出来事 (2007/01/02)

 
 なんだかんだと文句を言いつつ、後半歌合戦を見ては、地元のスポーツバーmoto Rossoのカウントダウンパーティに参加して、あらよという間に、2007年になってしまいましたが、ここで昨年を少し振り返っておこうと思います。ブルゴーニュ魂にとって、2006年はいろいろあった年となりました・・・。主な出来事とは・・・。

 1.ブルゴーニュ魂・・・法人化される。
 2.ブルゴーニュ魂ワインセミナーからカップル誕生
 3.ブルゴーニュ魂、アルザスへ行く。
 4.ブルゴーニュ魂、日本ワインに酔う。
 5.ブルゴーニュ魂、ロブマイヤーにこだわる。
 6.ブルゴーニュ魂、ロマネ・コンティの魅力を回転寿司で問う。
 7.ブルゴーニュ魂、唐津に行く。
 8.ブルゴーニュ魂、名店に行く

 1.ブルゴーニュ魂・・・法人化される。

 実は、とりたてて発表はしていなかったのですが、昨年八月にブルゴーニュ魂は法人化されました。会社名は、ブルゴーニュ魂株式会社にしようか悩んだのですが、なんとなく領収書をもらうときに恥ずかしいので(笑)、株式会社コモードにしてみました。コモードとは、イタリア語で、「ゆったりとした気持ちで」という意味。偶然にもその後ご誕生された皇位継承第三位の「悠仁」さまの「悠」と同じ意味だったりします。個人的には「ゆるゆるでいこう」なのですが・・・。今回の法人化にあたり、関係各位のご協力を頂き、またその後の支援にも大感謝なのです。さあ、ますますブルゴーニュ魂 !!! ということで、ゆるゆるに、よろしくお願いします。

 2.ブルゴーニュ魂ワインセミナーからカップル誕生

 ブルゴーニュ魂ワインセミナーは、ワインのおいしさとは何か、感動とは何かをテーマに、レストランやホテルにご協力をいただきながら、首都圏と中部圏で開催しています。セミナーに参加される方は、ワイン愛好家の皆さんや、ワインのプロの方、友達に誘われての方など、職業や年齢(20歳以上ですが)を問わず、多種多様で、ワインを通していろいろな出会いに恵まれています。で、隔月に山梨県某所で開催しているセミナーで、見事カップルが誕生し、昨年ご結婚されたとの報をいただきました。お二人のご結婚については地元紙でも写真入で報じられ、紙面をよくよく読むと、当セミナーのことが出会いのきっかけとのことで、なんだかとてもうれしくなってしまいます。お二人の門出を祝し、ワインの不思議な「ご縁」に魅了されています。次は、あなたかもしれません・・・(笑)

 3.ブルゴーニュ魂、アルザスへ行く。

 ブルゴーニュワインの高騰を受けたりしつつ、最近はフランスのほかの産地にも注目しているブルゴーニュ魂ですが、一昨年のロワール進出につづき、昨年はアルザスを訪問してしまいました。アルザスはパリからの交通の便もいまひとつ悪く、また車がないと身動きが取れない事情もあって、なかなか訪問できていませんでした。しかし最近ではフランス国内での車の運転にも慣れ、また日本でもアルザスワインにたくさん触れる機会があり、知れば知るほどに興味はわき、ついに憧れの地に足を運んだのでした。アルザスの斜面は、コート・ドールのそれに似て、私の心をウキウキさせてくれます。特にこの地に育つピノ・ノワールのおいしさに目覚めてしまっているものにとって、ヴォージュ山脈の麓に広がるアルザスの畑は、私を小気味よく魅了するのです。近いうちにTGVも開通し、交通の便もよくなることが期待され、また地球温暖化の影響を、いい意味でで受けそうなアルザスの斜面に今後も期待なのです。私は、1996年に醸されたドメーヌ・ビネールのピノ・ノワールの薄くてうまい味わいを、一生忘れることはないと思いながら、それをお出汁の味わいに重ね合わせ、和の道にも通じるアルザスの魅力に迫り続けたいと思っています。かつて海だったアルザスの遠い記憶が、「山のお出汁」を意識させてくれるのです。アルザスは日本人の美意識に共通する何かを持っていると信じています。

4.ブルゴーニュ魂、日本ワインに酔う。

 ブルゴーニュ魂は、地元、日本のワインにも注目しています。至極全うに造られた日本のワインは、はっきり言って、相当うまいです。特に日本オリジナルの甲州ワインは、和食との相性もよく、地元の食材をふんだんに使うフレンチやイタリアンとのマリアージュも、普通化して、普段着ワインとして確立された感もあり、私の周辺では、日常に溶け込み始めています。たとえば、二人でフレンチのアラカルト3品ほど頼んで、ボトルを一本飲んでも1万円にいかない価格設定は、これぞ日本ワインの醍醐味であり、そんなすてきなレストランは湘南界隈に存在しつつ、とてもうれしくなります。ただし私が好んで飲むワインの生産量は、とても少なく、まだまだ一般的に普及する量ほどには造られていないのですが、興味をもって接した人には十分楽しめる量は供給されていることも知っておくべきかもしれません。しかし、日本のワインが普通に楽しめる場所は、私が知る限りそう多くなく、湘南界隈と小田原、箱根の一部を除けば、ほんの一握りのようで、これからの関係各位の展開に期待したいところです。

 またブルゴーニュ魂的には、平塚と静岡と東京で、ワイナリーの現場で働く人をお招きしてのメーカーズディナーも何度か開催しました。金井醸造場の金井氏、奥野田葡萄酒の中村氏、イケダワイナリーの池田氏、勝沼醸造の小林氏、機山洋酒の土屋夫妻、タケダワイナリーの岸平女史、ルミエールの小山田氏、フジッコワイナリーの雨宮氏・・・。ワインの生産者と消費者が、おいしい食卓を囲んで、ワインの話をしては、ワイン飲む。そんな空間を通して、日本のワインが盛り上がることに、ワインを愛する者として、とてもうれしく思います。

 5.ブルゴーニュ魂、ロブマイヤーにこだわる。

 ブルゴーニュ魂は、ロブマイヤーグラスでのワインの味わいに、強い関心を持っており、ワインセミナーを通じて、その魅力に迫っています。何気に1客15,000円以上もする高級グラスですが、成分に鉛を含まないカリ・クリスタルだからこそ体感できる世界観があると信じるものとして、ロブマイヤーは決して高い買い物ではありません。(実際、割れにくいので、逆に安いと感じさせてくれます・・・。)

 そのワインの感動を、高いレベルで表現しうるグラスとして、私はロブマイヤーの商品群の中から、一連のバレリーナシリーズを多数用意してしまいました。「ブルゴーニュワインには、エレガントさがなければならない」と、某インポータの女性社長は言いました。その言葉に強く共感する者にとって、おいしいブルゴーニュワインは、その繊細さを美しく表現しうるロブマイヤーで味わいたいと思います。また、あるセミナーに参加された某氏は、こんなことを言ってくれました。「ロブマイヤーのグラスで飲むと、そのワインの価格を7000円アップさせてくれる」と・・・。すべてはおいしく飲むために、ロブマイヤーは普通に用意されます。(ただし用意されない場合もあります。ワインを飲みなれていない人には、ロブマイヤーはプレッシャーになりうるからです。おいしい空間のために、あえて登場しないのもロブマイヤーの・・・)

 (ロブマイヤーグラスは、ブルゴーニュの地で見かけたことはありません。またロブマイヤーの本拠地オーストリーには、ブルゴーニュワインはリストアップされているのか、はなはだ疑問です。本場ブルゴーニュやオーストリーでは体感できない、ロブマイヤー越しのブルゴーニュワインの味わいは、日本でしか体感できないものなのかもしれませんね。) ロブマイヤーとブルゴーニュの高い次元での共鳴を、ぜひとも体感してもらいたいと思うこのごろです。

 6.ブルゴーニュ魂、ロマネ・コンティの魅力を回転寿司で問う。

 ロマネ・コンティは、ブルゴーニュのヒエラルキーの頂点に君臨するワインですが、最近の市場価格は一本で100万円を超えて、それは飲み物としての存在価値を大きく失ってしまいました。ロマネ・コンティ高騰の背景には、ユーロ高に加えて、中国市場やロシアのオイルマネーの存在も囁かれつつ、日本の食卓からは完全に縁遠いものになってしまった感が悲しげです。昨年は、運よく三回ほどロマネコンティ開栓の現場に立ち会いましたが、その最後は、舞台を回転寿司に設定しました。この回転寿司については、なんどもコラムで取り上げていますので、ここでは大幅に割愛しますが、ロマネ・コンティを問う現場として、その回転寿司は、ベストマッチだったと今でも信じています。そこは、回転寿司であるという事実を除けば、ロマネ・コンティを飲む場所として理想的な空間だったからです。

 「なんで回転寿司で、ロマネ・コンティなんだろう」という疑問から好奇心が生まれ、そしてあのロマネ・コンティの味わいを最高レベルで味わうことへと発展していく様は、可笑しげでもあり、しかし至極全うな道順だと信じます。ロマネ・コンティの歴史に、回転寿司が刻まれた事実を、どう受け止めるのか。それは今後のロマネ・コンティの存在価値にリンクして、大変興味深いことになりました。回転寿司でサプライズ、それはその場に居合わせた人たちとしか共有できない、不思議な喜びだったのかもしれません。

 7.ブルゴーニュ魂、唐津に行く。

  日本の土から生まれた日本のワインは、日本の土で包みたい。最近は、唐津焼の隆太窯、中里隆さん作の南蛮コップで、甲州ワインを楽しんでいます。通常グラスからは伝わりえない、ワインの温度を掌で感じ、ロブマイヤーグラスと共通する吸い口の美しさに感動してしまっているのです。特に和食のカウンターに、隆太窯に注がれた甲州ワインを飲むとき、初めての経験なのに、どこか懐かしい風景を思い起こさせるのは、なぜでしようか。とても不思議で、そしておいしい体験です。

 ブルゴーニュ魂が唐津を訪ねたのは、偶然でした。たまたま出かけた九州旅行の目的地のひとつに組み込まれていただけで、この地をどうしても目指したいという欲望は当時の私にはまったくありませんでした。窯元を訪ね、その器を見てもなお、特にドラマは始まらず、観光というレベルを脱することはありませんでした。しかし、私はその器を手にしてしまったのです。鑑賞だけにとどまっていた名人の器を、実際に手にとってしまったとき、私の神経に何かが走り、大いにDNAは揺すぶられ、ついには唐津焼で日本ワインを楽しむという暴挙にも似た快挙を成し得てしまったのです。この感覚は、ブルゴーニュワインに初めて目覚めたときの、あの感覚にも似て、ついには唐津焼で楽しむ日本ワインなるワインセミナーを各地で開催するに至ってしまいました。おいしいワインは、美しい器で楽しみたい。ロブマイヤーしかり、隆太窯しかりなのです。

 8.ブルゴーニュ魂、名店に行く

 ブルゴーニュ魂は、名店が大好きです。そこに本物があり、職人がいるからです。昨年は特に銀座の和食「銀座小十」さんと、同じく銀座に店を構えるフレンチの巨匠「ル・ジャルダン・デ・サヴール」さん、南青山の「リストランテ濱崎」さんらと出会うことができ、また従来よりお世話になっている「ロンフウホン」「ロウホウトイ」さんをはじめ、多くのお店と交流させていただき、感謝の念に耐えません。また地元湘南には、「ご飯をおいしく食べる」を追求する名店が数多くあり、一般客として、まセミナーを通じてお世話になっていることに、大感謝なのです。

 さあ、2007年が始まりました。

 今年もすごい一年にしましょう !!!


おしまい

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