護摩屋敷の水 (2007/01/11)

 
 最近、水に関心がある。

 漫画「きららの仕事」でおなじみの早川光氏の名著「ミネラルウォーター・ガイドブック」新潮社刊を読みつつ、水への興味は沸くばかりだ。銀座の某和食店では、飲み水として用いる水以外は、大将の故郷、静岡の水を毎日取り寄せているというし、かくいう私も、丹沢山系の護摩屋敷の水を汲みに行ったりして、水のありがたみを体感していたりする。

 護摩屋敷の水は、名水百選にも選ばれ、地元では大変有名らしく(最近まで知りませんでした・・・すみません)、昨日リリースされた地元のフリーペーパーでも特集が組まれるほど。私が訪ねたときも、湧き水には数名が順番待ちをしては、慣れた手つきで、美しく湧き上がるおいしいや水をポリタンクやペットボトルに溜め込んでいた。神奈川県の水道水は、東京に比べて水がうまいと思う。しかし、水道会社の設備を経由しない天然の湧き水はもっとうまい。丹沢山系の水は、その水を原料に使うビール会社が、ラベルに表記するくらいなのだから。(営業用に使うと、万が一の時のフォローができないから、飲食店では使われないと聞くが、個人用なら問題もないだろう。自然の恵みそのものなのだから・・・。)

 湘南からは、国道246号線をまたいで、丹沢山系のヤビツ峠へ続く細く曲がりくねった急斜面ほ走り抜ける。時折木々の切れ間から眼下に見せる景色に、さわやかな風を意識させてくれる。週末は、サンデー・ドライバー(イエィ)のあやふやな運転にどぎまぎしながらも、ここで事故るとおまわりさんも大変だろうと、余計な心配をしては、大山登山の基地であるヤビツ峠のバス停を過ぎ、少し下ったところで、護摩屋敷の水に到着する。

 おいしい水は、少しばかり労力を要する。

 水は、途絶えることなく、豊かに湧きこぼれる。塩素殺菌されていない水は、そのまま飲めば、するりと喉越しもよく、大山という自然のろ過を経た水には、ミネラルもたっぷりで(推定ですが・・・)、しみこむように、体に自然となじむからありがたい。聞くところによれば、富士山の含有水分量は、琵琶湖の貯水量よりも多いと聞く。丹沢山系も、豊富に違いない。漁師が海を育てるためには、山を守るところからはじめるとも聞く。山のエキスが川を伝って、海へと続き、そして海を豊かにする。

 自然の湧き水・・・。それはワインのミネラルに共通し、とてもおいしい。地元の水に、感謝して、今夜も護摩屋敷の水を飲みたいと思うのだった。今度の週末に、護摩屋敷・・・悪くない選択だ。


おしまい

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