タクシーの禁煙 (2007/05/01)

 
 今日から、名古屋のタクシーは全面禁煙になったようですね。タバコを吸わない私にとっては、歓迎するニュースですが、普段余りタクシーを利用しない者にとって、タクシーくらいは喫煙者の「園」としてとっておいてあげてもいいのではないでしょうかと思ったりしています。電車も駄目、路上も駄目、オフィスビルでも駄目となれば、せっかくの納税行為は、その場を完全に失ってしまうからです。私がタクシーに乗るのは、小田原のいつもの回転寿司にベルギービールを楽しみに行くときくらいで、しかもワンメータくらいの短い距離となれば、多少車内がタバコくさくても、まあ許してもいいかと思ったりするのです。(滞在が長時間に及ぶホテルの宿泊ルームでの喫煙残存臭はかなり厳しいですが・・・。)タバコをすわないものにとって、車内のわずかなタバコ臭は容易に察知され、不快感が顔に出たりもしますが、それがわずかな距離ならば、あるいはわずかな距離だからこそ、まあ許してもいいと思ったりしています。

 その代わりといっては何ですが、滞在が長時間にわたるレストランやおすし屋さんでの喫煙は断固反対です。職人の技が煙に巻かれる様は、職人の顔におならをするようで、なんとも不愉快。特におすし屋さんや天麩羅屋さん、和食のカウンターで、スパスパやられると、私は一気に帰りたいモードに突入してしまったりします。そのタバコの煙が、私の鮨や天麩羅に、そして服や髪の毛に不愉快なまでにかかってくる。それは、かなりつらい光景です。せっかく楽しみにしていたお鮨が、煙に巻かれる光景は、なんとも寂しいのです。タバコがその場の香を支配してしまう。結構つらい場です。(ただ私の場合は、お鮨や天麩羅などは、出されたらすぐに食べるほうなので、煙の害はほかの人より少ないと思われますが・・・)

 またフレンチやイタリアンレストランでの喫煙もご遠慮いただきたいところ。せっかくのお料理の繊細な息遣いや、ワインのアロマやブーケを蹴散らしてしまうからです。そこが居酒屋料理なら、喫煙もやむなしですが、職人が魂こめて作ったお料理や官能的なワインならば、その巧みに敬意を払ってもらいたいと思いつつ、日本でも早くレストランでの喫煙が全面的に禁止される日が来ることを願うのでした。

 禁煙の電車内と、路上禁煙と、禁煙にして欲しいカウンターやレストランの間にあって、タクシーの車内だけは、喫煙を許してあげてもよさそうで、しかもそれが納税行為という視点に立てば、この国のためにどしどし消費してもらいたいと願いつつ、その空気を共有しない禁煙と喫煙の間に大きな壁を作ってもらいたいと思うこのごろです。

 タバコの煙が、タクシーでは許せても、レストランでは、許せない私からのささやかなお願いでした。 

おしまい

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