ピノ・ノワールが飲みたい夜に (2007/12/24)

 

 今夜、近所でお通夜が営まれた。

 一人暮らしのおばあさんが、人知れず、ひっそりと亡くなって・・・。

 最近はお目にかかっていなかったが、昔はずいぶんと・・・。

 知っている人が亡くなるのは、辛く切ない。

 こんな夜には、

 きまって私はピノ・ノワールが飲みたくなる。

 なぜだろう。

 死を意識した夜は、

 かならず、ピノ・ノワール。

 ピノ・ノワールの薄い色合いの向こう側に、

 故人を偲びつつ・・・。

 なんとなく、

 三途の川のせせらぎは、

 ピノ・ノワールの香に包まれていてほしいと思う。

 ピノ・ノワールだけが死を認め、許しうる液体と信じ。

 さて・・・。

 今日はおりしも、クリスマス・イヴ。

 街が華やぐ夜にして、

 ひっそりと、

 ピノ・ノワールで献杯しよう・・・。


 おしまい
 

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