東京・・・怖いよお 六本木 (2008/06/14)
 



 東京には東京にしかない凄みというかオーラというか存在感があって、そのたびに東京という街に打ちのめされたりする日々を過ごしつつ、その東京の一面に迫ってみようというシリーズです。まずは先日の六本木にて・・・。

 最近。六本木通りをフェラーリ(号)で走り抜けるケースも多く、六本木の交差点をずいずいと通行したりしている。先日も深夜、赤坂から白金高輪に行く道すがら、六本木通りを快調に走っていた。あまりにも快調に走ってしまったために、左折するポイントを間違えて、渋滞する六本木の交差点の渋滞に巻き込まれようとしていた。そこで、タクシーなどで渋滞する大通りを避けようと、知らない路地に車を左折させた。急発進したタクシーに横っ腹を追突されそうになりつつも、フェラーリ(号)は軽やかなステップでそれをかわして、見ず知らずの路地に入っていった。ここは、車中心の六本木通りに比べ、その業界関係者と思われる人たちであふれる六本木の街中だった。

 路上駐車の車の横を抜けて、最初の小さい十字路に差し掛かると、いろんな人種のいろんな人たちが、そこにたむろしていた。「何でこんなところに車入ってくるんだよ」というブツブツモードのお兄ちゃんたちの視線を避けつつ、私は道を探したが、彼らは交差点の真ん中に立ち続け、その辺の仲間となにやら話し続けていた。車を無視するべく、微動だにしない彼ら・・・。かなりおっかないモードで、こっちをみている(ような気がする・・・)。彼らと目を合わせないようにして、道を探す。この交差点、左折は禁止のようで直進するか右折するしか選択はないのだが、真正面にはおっかなそうなおにいちゃんたちが立ち尽くしていて、一向に退く気配はなく、小心者の私は、うつむき加減に、いやおうなくステアリングを右に切っては、早々にその場を立ち去ろうとした。

 すぐにでも、おっかないお兄ちゃんたち数名に囲まれるリスクを抱えつつ、視線を右にずらすと、今度は派手な衣装に身を包んだ女性や、凄みを利かせている黒人さんたちがたくさんいらっしゃり、なにかあったらボコボコに圧し掛かってきそうなオーラを全身から発せられていた・・・。ひい。見るからに酔っ払いで、かつ凄みモードバリバリのお兄さん方に睨まれると、田舎ものの私は、相当ビビッてしまうのは、それはもう、いたし方もないというもの。早くこの街を抜けなければ・・・。こんな気持ちになったのは、夜中のセーヌ川の河川敷でたむろしているヤンキーな黒人さんたちの横を通り抜けるときの緊張感以来かも・・・。かなりドキドキした私は、車のドアをもちろんロック。こわいよお。

 そう思っていると、今度は胸を大きくさらけ出した女性とイケメン系の黒人さんカップルがこっちに向かってきた。おおお。その女性はまさに某叶姉妹状態で、す、すごいとしかないようなド派手な胸が大きく開襟していた。あの胸は、間近で見ると、凄い迫力がある、です。はい。そしてその女性にも、にらまれたような・・・気がしたりした。「あれって胸になんか入れてるんですかね。」後ろの席に(いわゆるタクシーのり)同乗していた女性陣に訊ねつつ、「シリコン入ってるよ、絶対」との感想をもらいつつ、あんな胸は初めて拝見してしまったので、私は明らかに動揺したりした。あんな胸って・・・すごいなあ。東京・・・怖いなあ。実際に存在するんだなあ・・・。

 六本木の路地裏・・・。ここは東京のど真ん中にして、ここは日本じゃないなあと思いつつ、大通りに出ては、そそくさと左折して、信号などは完璧に無視する酔っ払いさんたちに、ぶつからないようにして、フェラーリ(号)は、六本木から見る見る遠ざかるのだった。

 深夜の六本木の路地裏。そこは、とても異文化交流の街だった。東京・・・怖いよお。


 おしまい
 
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