ミシュランひとつ星のお鮨屋さん (2008/07/15)
 



 先週の金曜日は、日ごろ大変お世話になっている某氏と某氏に連れられて、赤坂見附のミシュランひとつ星レストラン「すし匠 斎藤」さんで極めて素敵な男祭りでした・・・。その夜は、寄寓にもカウンター12席(しかないと思いますが・・・)は全員、男性。L字型に男ばっかりが並ぶ風景も、赤坂見附な感じがしたりします(笑)

 最近は、いろいろあって回転する寿司しか食べていなかったので、(正確に言うと、廻ってくる寿司ではなく、鈴木店長(仮名)さんに、お任せで10貫ほど握ってもらって手渡しで食べてはいるんですが・・・) ミシュランが評価する寿司というものに大変興味もあり、うれしいひと時を過ごさせていただきました。関係各位に大感謝です。

 ココにくると、「ああ、ミシュランはうれしかったんだろうなあ」と思えたりします。

 清潔感の心地よさと、お寿司屋のイメージから想像すると意外なほどの開放感、そして靴を脱いで掘りごたつ式のカウンターによっこいしょと座る安定感。小気味よい職人さんの仕事とトーク。お手ごろながら、しっかりといいものを予感させる酒器。おいしいお酒に、ワインもあったりで、ミシュラン調査員が、ここでうれしそうに食事をチェックするさまも目に浮かびます。

 ミシュランの☆つきレストランに共通するもの。それは外国の方が、これを食べてうれしかったんだろうなあと思わせる度合いの強さ。フランス人が、きっとこの料理を食べて、うれしかったり、ドキドキしたり、心が躍ったんだろうなあという料理を提供する店は、たいてい星が付いていたりしています。ココもまさにそんな感じ。いいぞ。

 このお店がひとつ星なのは、なんとなくわかるような気もします。二つ星の銀座某店にある独特の緊張感は、ココにはあまりなく、それはサラリーマンが鮨を食べるのではなく、ただ単に職場の仲間と飲みに来ているぞモードが影響するかもしれませんが、張り詰めた緊張感はほどほどに、飲み心地のよい食空間がそうさせるのかもしれません。三ツ星に共通するココでしか食べられない感は、あまりなく、二つ星はあまり行っていませんが、そこで感じる独特の緊張感もそれほどないような・・・。さりとて、美しい仕事と職人気質が、食の喜びに連なってくれたりします。ひとつ星。なるほど、です。おいしいお酒とおいしい料理が食べたくなったら、ココに着たい。そう思わせるのに十分な食空間でした。

 ココは、お任せオンリーのようで、そのスタイルは、ミシュランのハートをときめかせつつ、ミシュラン東京で注文の段取りは、紹介されています。まずは着席して、一貫だけお鮨が出ます。その後、季節のつまみがいろいろ登場しては、ガリがとても食べ応えあって、うれしくなってしまうのです。飲み物に関しては、ワインもあるらしいですが、今宵は、乾杯用にシャンパンのハーフを頼んだ以外は、職人さんと相談しつつ日本酒をあれこれ・・・。三千盛がでてからは、それに落ち着いて同じ銘柄を飲み続けたりしました。男三人で、まあよく飲みました(笑)

 つまみが一通り終わると、握りはお任せで。今回は、そういえば鮪系はなかったような気もしつつ、それはそれで特に違和感もなく、いい感じ。職人の仕事は江戸前だけにこだわらず、押し寿司なども登場しては、職人さんとの小気味よい会話も盛り上がります。(ほかのテーブルは、仲間通しの会話が相当盛り上がっており、俺は○○大学の何期生で、すぐ上の先輩には誰の誰兵衛がいるぞ的な話で盛り上がっており、納豆まき頂戴といわれた日には、職人さんはどこかしら寂しそうな目をしていました・・・ちなみに納豆巻きはないそうです・・・)

 握りの後半は、お好みで・・・数貫。職人さんに、今日はこれがおいしいですよといわれれば、全部頼みたくなるのが心情で、普段こんなにお酒は飲まないし、鮨もこんなに食べないけれど、いい感じに夜は更けていきました。今宵のベストは、八朔のような食感が楽しげな石垣貝の握りでした。おいしいなあ。

 で、こんなに飲んで食べて、ココは赤坂・・・相当高いんだろうなあと覚悟しつつも、会計は、最近のブルゴーニュのメジャー級特級ワインよりは安く、絶対額からすれば高いといえば高いですが、質とのバランスを考えれば、決して高いとは思わせない価格がいい感じ。それでも、頻繁にはこれなさそうではありながら、年に2回くらいは楽しみたいなあ、そのために貯金しようと思わせてくれるところが、いい感じなお店でした。

 「すし匠 斎藤」 いい感じです。

 帰りは飲みすぎて、電車に乗るのが軽く怖かったりしましたが、無事に帰宅できてホッ


おしまい

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