パン教室 ブノワトン (2008/07/18)
 



 先日、日ごろから大変お世話になっている伊勢原のパン屋さん「ブノワトン」当主の高橋幸夫さんのパン教室が、氏が営むもうひとつのお店「足柄麦神 麦師(むぎし)」で開催され、思わず参加してしまいました。

 家庭でのパン作りの参考・・・ではなく、プロの現場の一端を知ってもらうというコンセプトの下、朝の9時からお昼をはさんで、午後2時半まで、高橋シェフにご指導いただきながら、おいしいパン(自分調べ)を作ってきました。(参加者は、予想通り・・・私以外は全員女性でした・・・ひい)


 一言で言うなら・・・。高橋幸夫、畏るべし、です。


 高橋シェフに関しては、有名雑誌やいろんなサイトやブログで紹介されており、またブルゴーニュ魂ハッピーワインセミナーでも時折、ブノワトンのバゲットやクロワッサンが登場しているので、大幅に割愛させていただきつつ、雑感を少しばかり・・・。

 しかし、高橋シェフ・・・熱い男でした。パンをこよなく愛し、命がけの仕事を高いレベルで実現させ、日本の麦事情に強烈な危機感を持ちつつ、奥さんには頭が上がらない立場ながら(笑)(本人の弁)、全身全霊から、オーラと熱弁を発しまくっていました。まったくもってすごい、です。高橋ワールドに一気にのめりこませて頂きました。個人的には、見かけと話し方は、シオンワイナリーの「つよぽん」にそっくりという説を信じます。

 今回のパン作りは、高橋シェフに用意していただいた材料を自分でこねつつ、パン生地の熟成過程の合間にレクチャーを受けては、焼成から袋詰めまで一通りの仕事を体感するというもので、パン作りにおいて超ウルトラど素人の私をして、楽しく、勝つ真剣にパンの魅力にいざなってくれました。

 用意されていた粉は、こんな感じ。低温石臼挽きの湘南小麦30%に、プロ用の強力粉50%と中力粉20%。天日塩にイーストと麦師オリジナルの酒種酵母に浄水でした。これを高橋シェフの指導の下、えんやこらさっさとこね続けます。この配合比率は一般のパン教室はおろか、チェーン店系のパン屋さんでもありえないとのことで、確かに練っていると、捏ねているパン生地よりも手にぴっちりとくっつくほうが多い感じで、このねっちり感は、やんなっちゃうけど、高橋シェフから早々に発せられた「いやあ。みなさん、いい感じです。ゴールが見えてきました」の談に、思わず噴き出しつつ、肉体労働が続きます。「パン教室というより、パン道場ですよ」というシェフの弁に、信憑性が増しつつあります(笑)

 しかし、不思議です。さらさらの小麦粉が水を加え、捏ねることにより、嫌になるほどのねっちりした生地になり、あれよあれよという間に、むわむわになり、そしてふっくらとしたパン生地になり、熟成と焼成を経て、こんがりとしたパンになっていく。

 高橋シェフは、満面の笑みで、「不思議だよね」 

 続く「パン作りは化学である」という言葉とは裏腹に、パンづくりのこの不思議さは、ドキドキします。そして焼きあがったパンの香りは、ちょっと癖になりますです。

 今回は、家庭での再現ができないという不思議なパン教室でしたが、ブノワトンおそるべし、高橋幸夫おそるべしとの思いをいっそう募らせつつ、これからパン屋さんに行く回数が極めて増えそうな予感に満ち満ちています。秋バージョンもあるとのことで、(9月まである夏バージョンは全講座満員みたい・・・)、今度はもう一歩踏み込んだ体験をしに、箱根に向かいたいと思う今日だったりします。(相変わらず、写真もないなあ・・・すみません)

 ところで、出来上がったパンは・・・同じ材料なのに、店頭にあるものとはだいぶ違う格好になってしまいましたが(笑 → 当たり前です)、いい感じに焼きあがりました(自分調べ)。ただ、あまりにも量が多いので、食べきれるか、ちと心配になったりしています。しばらくは、パンオンリーっす。


おしまい

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