生ビールの季節 (2008/07/22)
 



 毎日、あぢい日が続いています。そんなときは、ビールがうまい。しかし、そんな生ビールも、お店側のホスピタリティが欠如していると、途端にまずくなるから不思議です。経験上、生ビールは、当たりはずれが大きく、当たったときは最高の味わいが楽しめますが、はずすと最悪モード全開で、そんなときは、そこが初めてのお店であれば、なおのこと、そそくさと席を立つことに決めています。(今のところあたりのお店は、数店・・・あとはほぼ撃沈かもです・・・)

 おいしい生ビールを飲むための些細なこと。でも、それが大事・・。

 レストランや回転寿司で、生ビールを頼んで、店員さんが棚などから取り出したビアジョッキに、そのままビールを注いでしまったら、もうそれはビールの味わいになんら価値を見出せない確率は、96.98%かもしれません。特に夏のこの時期・・・それをやられたら、ビールはおいしくないんです。

 なぜならば、ビールの温度が変わってしまうから。ジョッキの温度が室温と同じ場合は、冷房が効いた部屋でも、20℃後半から30℃弱はあるはず。で、そこによく冷えたビールを注いだら・・・ジョッキは冷たくいい感じ・・・。でもビールはその瞬間に温くなってしまう。店員さんが準備をしているそばから、冷たい温度は失われ、私の手元にやってくるころには、それはもう寂しい味が約束されたようなものかもしれません。

 ホスピタリティに優れたお店で生ビールの現場を見つめてみれば、棚から取り出したジョッキに氷と水を入れて、カクテルを作る時と同じように、バー・スプーンなどでくるくる氷を回転させて、瞬時にグラスの温度を下げ、中の水を完全に捨ててから、ビールを注いでいることに気がつくことでしょう。

 冷たい飲み物は、冷たい器に。 (温かいものは、温かい器に・・・。)

 何気なく注文した生ビールの、その直前に、店員さんがおいしいビールを用意してくれていることに、感謝すると共に、ぞんざいな店員さんの差し出した生ビールは、それを私が飲むのかと思うと、気も引けるから辛いところです。失われる温度に、蕁麻疹も出つつ、逆にそこへの配慮に気づいてしまうと、それはもう私の心に「星」は輝くのでした。

 おいしいビールには、訳がある。それは限りなく、人的要素と感じます。


おしまい

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