にっぽんハッピーワイン


 うれしかったこと 3

 毎度おなじみの神奈川県平塚市某所のブラッスリーでのひとコマ。

 その夜は、某氏と近所のイタリアンでおいしい御飯を食べたあとで、なんとはなしにエスプレッソが飲みたくなり、某氏とふたりで自転車をこぎつつ、某店にラストオーダーぎりぎりの時間に到着した。で、当然のように日本のワインの話になり、何か一杯、ということで、ダイヤモンド酒造の「Yますかっと・ベリーA」(ノーマルバージョン)をグラスで注文した。

 このワインは、イチゴキャンディ系で少し甘いがしっかり辛口の赤ワインである。マスカットベリーAは、優しい果実みを特徴としているが、アフターに野性味を感じるため、苦手な人にはちょっと厳しく、一口飲んでちょっと・・・という人もいるかもしれない。しかし、お料理と一緒に楽しめば、そんな野性味は奥に潜めて、お料理のよきパートナーとなって宴を大いにハッピーにしてくれるのだ。あいにく、この夜はイタリアンでおなか一杯に食べていたので、お料理と合わすことはできなかった。個人的にこの野性味は嫌いではないので、ワインだけで楽しんでも良かったが、いつものオーナーがにやりと笑ってテーブルにもって来てくれたものがあった。

 ガトー・ショコラである。

 このガトー・ショコラを一口食べつつ、マスカットベリーAを飲み込めば・・・。うおっと。ワインの辛口さとガトー・ショコラの甘さが、なんともいえない絶妙なグラデーションとなって口の中を泳ぎ始めたのだ。辛い、甘い、辛い、甘い、辛い、甘い・・・。そして最後はガトー・ショコラの甘さで終わる。

 うーん。ハッピー。

 そういえば、ボートワインに合わせてもいいのだから、マスカットベリーAが合わない筈もないのだが、デザートと赤ワインをあわせるという一工夫を再発見してしまうと、なんともハッピーで、このテーブルだけ妙な明るさが展開されていくのだった・・・。

 家の近所で日本のワインが大盛り上がり大会。ハッピーである。


つづく

2005/07/19




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