にっぽんハッピーワイン


 うれしかったこと

 毎度おなじみの神奈川県平塚市某所のブラッスリーでは、最近日本のワインが大好評のようで、人気銘柄はこの二ヶ月間に数ケース分消費してしまったと、某オーナーが嬉しい悲鳴をあげています。そのワインを紹介したのは、私だったりするわけで、そんな話を聞いたひにゃ、嬉しい限りなのです。つい先日も、いつものようにカウンターで多忙を極めるオーナーと話していると、日本のワインを楽しんでいるカップルを紹介され、少しの間テーブルにお邪魔して、日本のワインの話などをひとつふたつ、させていただきました。

 その方はブルゴーニュワインがお好きなようで、この些細な出会いが、今後深いお付き合いになりそうな予感も秘めつつも、今回は日本のワインについての話に終始させていただいた。お二人はとても幸せそうに、「日本のワインがこんなにおいしいとは知りませんでした」と、おっしゃってくださり、空になった瓶を私に見せてくれました。

 「おお。そのワイン、うまいですよね。カベルネソービニョンとメルローのブレンドで、先日も団体ツアーをしたときにそのワインは跳ぶように売れてましたよ。そのワインはもち肌のイケメン君(自分調べ)が・・・(後略)。」

 うっすらと赤ら顔のお二人は、まもなくお会計をされ、「ではまた」と別れを告げて、仲良くお店を出て行かれましたが、女性のバッグには、しっかりとその空き瓶が収められていたのでした。日本のワインが、ブルゴーニュワイン好きの方に飲まれ、喜ばれ、そして瓶をもって帰られる。それがとても自然な成り行きに感じるのは、日本のワインがそのレベルに達している証明であり、とても嬉しい瞬間なのでした。

 日本のワインは、空き瓶を持って帰らせるほどのパワーを持っている。その数はまだまだ少ないかもしれませんが、確実に存在しているのです。日本屈指のハッピー・レストランで、繰り広げられるワインを巡るエピソード。一本のワインを囲んで、それを囲んだ人々の笑顔が印象的でした。ゴールデンウィーク真っ只中の、些細ながら、とてもハッピーな出来事でした。


つづく





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