にっぽんハッピーワイン |
日本のピノ・ノワール 先日、甲府某所にて「日本のピノ・ノワールのおいしさを探る会」を参加者5名というこじんまりと開きました。ワインは都合3種類用意して、抜栓後すぐにリーデル・ヴィノム・ブルゴーニュグラスにブラインドでサービスし、その真価を問うてみたのです。 用意したワインは、この三本。 2003 ピノ・ノワール ラ・ジュンヌ 旭洋酒 (初ビンテージ) 詳細。 2003 アルザス・ピノ・ノワール ジェラール・シュレール 2002 サビニー1級ラピエール ルイ・シュニュ 上記三本に共通するのは、ぶどう品種がピノ・ノワールであることはもちろんですが、経験的な理由から薄い色合いと薄口系のうまくちという点であり、世界各地にいろいろあるピノ・ノワールの味わいにおいて、最も好きな傾向のワインという我儘な選択してみました。(アルザスだけは、酷暑の2003年ということもあってか、ちょっと濃かったですが・・・) その結果は、三者三様どれもおいしいという結論になりました。(逆に言えば、悲観的な意見は聞かれませんでした・・・)。旭洋酒には、幾分茎っぽさに抵抗感がありつつも、決して悲観するところはなく、うまみも乗って余韻も長めでした。これはちょっと強引かもしれませんが、旭洋酒のピノ・ノワールは、ロワールの自然派テリー・ピュズラーのネゴシアン部門が生み出すかもしれないピノ・ノワールというイメージも沸いたりします。(基本的な哲学は同じなので、同じ味わいになるのは自然の成り行きですね・・・)。アルザスを代表しうる自然派ワインのシュレールのアルザスは、自然派ワイン特有の一歩遅れてやってくるうまみが好印象で、時間が経過すると共に、グイグイうまみが充実してくるタイプで、まさに気がついたときにはワインは空になっていました。美人姉妹で知る人ぞ知るルイ・シュニュのサビニー・レ・ボーヌ1級ラピエールは、自然派とはあまり縁遠い存在ですが、今年のベストワイン(自分調べ)として、やや気持ち甘いかなと思いつつも、癒される滋味な味わいでした。 一口目に、大差なし。しかし・・・。 しかし欲を言えば、最初の一口目は、各ワインの個性が楽しかったのですが、二口目からは、アルザスとサビニーが飲みやすく、(わけてもアルザスは、うまみの塊に・・・)、グイッとグラスが空になるのに対し、最後まで旭洋酒のそれがグラスに残ってしまったりしたところに、見えない「壁」のようなものを感じたりしました。この壁の存在は、鈴木夫妻も自認されている様で、それはボトルがブルゴーニュグラスではなく、ボルドータイプであることから推測できたりします。 日本でのピノ・ノワールは困難を極めるといわれる中、旭洋酒の鈴木夫妻の大健闘が、印象に残りつつ、実は2004年ビンテージは、もっとおいしくなっている事実を知る者として、(先日、樽から飲ませてもらいました)今後が大いに楽しみな、そんな予感に満ちているのでした。(先ほど旭洋酒のサイトを確認すれば、生産量は300本しかなく、売り切れになっているところが辛いです・・・) にっぽんハッピーワイン・・・いいぞ。 つづく
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