ドメーヌを巡る冒険


 テーマ : アリゴテ

 
 アリゴテからの問題

 ブルゴーニュで、なぜアリゴテが栽培され、ワインとしてリリースされるのでしょう。
 ブルゴーニュでアリゴテ、なんでだろう。


 ブルゴーニュ魂的には3つの要因が考えられます。
  1.栽培上のリスク回避
  2.食文化としての必要性
  3.早期売上げの計上



1.栽培上のリスク回避
 ブルゴーニュはそもそも寒冷地であり、春先にせっかく芽吹いても、霜などの冷害にあいやすい。アリゴテの芽吹きはシャルドネのそれよりも遅いので、冷害を免れることが出来る。シャルドネが植わる特級から村名クラスの畑は緩やかな斜面にあり、太陽の恵みを早朝から浴びることが出来るが、平地では陽が昇ってからしばらくしないと地面が暖まらないため、被害も大きくなりやすいという。なるほど、アリゴテは国道74号線より東側の平地部で多く栽培されている(フィクサンあたりでは国道の西側)ようだ。ちなみにドメーヌ・ポンソはモレサンドニの1級畑モンリュイザン(特級クロ・ド・ラ・ロッシュの上層部)はアリゴテの最適地だと公言している。そしてコルトンの丘もかつてはアリゴテの大栽培地だった。


2.食文化としての必要性
 ブルゴーニュの名物料理にエスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョンヌがある。このエスカルゴ(パセリバターが詰められている)とアリゴテの組合せは定番中の定番で、アリゴテがブルゴーニュ地方の食文化に深く根付いているために、このアリゴテワインが必要なのだ。日常的な食事にはアリゴテのほうがあうこともしばしば。


3.早期売上げの計上
 アリゴテは一本あたりの単価は低いものの、瓶詰めの時期がシャルドネよりも相当早く、早期の資金回収が可能だ。また樽熟成させないところも多く、大型ステンレスタンクでの大量醸造も可能で経費的なコストパフォーマンスも高そうだ。

 
おまけ
 アリゴテは「酸っぱい」と言いたいほどの酸味が特徴だが、ドーブネ(サン・ロマン)やアルノー・アント(ムルソー)、ジャン・ポール・マニャン(モレ・サン・ドニ)など多くのドメーヌでは酸味をおさえたまろやかなタイプも多く造られいる。アリゴテにはシャルドネも混ぜることが出来るので、造り手による差も意外にあるから面白い。

 
以上




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