2004年8月6日配信。
下記についてある信頼すべき筋からの情報を入手した。それは、シャトー・ド・ポマールの栽培責任者とのインタビューに基づいており、確信的情報である。ブルゴーニュの地元紙を巻き込んだ一連の騒動はあっけない幕切れを迎えたようだった。それはつまり・・・
シャトー・ド・ポマールによる特級モンラッシェの畑の購入断念。
交渉の結果、価格が折り合わず、下記のトピックスはご破算になってしまったとのこと。この話、どうしようかと思いつつ、せっかくなのでしばらくはこのままにして、後々削除するなり、違う方法をとることにしようと思う。それまでの一時しのぎでこんな話題もあったということで・・・。
2004年7月4日配信。
2003年末にシャトー・ド・ポマールを買収したモーリス・ジロー氏が2004年に辛口白ワインの最高峰に君臨する特級モンラッシェの畑を購入したことは、ブルゴーニュに新たなる息吹を吹き込んでいるようだ。
ある信頼すべき筋からの情報によれば、畑はシャサーニュ・モンラッシェ側にあり、これはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(D.R.C.) ドメーヌ・デ・コント・ラフォン ドメーヌ・ルフレーブらと同じ村に位置していることになる。醸造にはシャトー・ド・ポマールの醸造責任者に就任したフィリップ・シャルロパン氏(ジュブレ・シャンベルタンに本拠地を置くドメーヌ・フィリップ・シャルロパンのオーナーで8つの特級赤ワインをリリースする実力派)が、担当するという。来年の2005年には新しい醸造所も完成予定で、シャトー・ド・ポマールの新たなる展開に目も離せないというものだ。
過日のブルゴーニュ合宿では、なぜだかその買収金額や購入面積も知りえたが(しかも地元紙発表の前々日に)、ここで公表するのもどうかと思うので、感じたことなどをいくつか・・・。推定生産量は1樽か2樽のようで、最大でも600本しかリリースされないようではある・・・。
人はなぜ畑を買うのだろう。
思うに、モンラッシェはワインを造るより買ったほうが明らかに安い、ということだ。
仮にモンラッシェ1本の購入価格を3万円としても600本で1800万円にしかならないではないか。億単位で取引されるブルゴーニュの特級畑の価格を想像するに、利益を上げるには何年かかるのか考えただけでも途方に暮れたりする。モンラッシェの畑を購入し、醸造設備を整え、一流のヴィニュロン(ワイン生産者)にワイン造りを担当してもらって、さらにリリースするまでに相当の歳月とコストがかかることを考えると、およそ畑の所有は、損益を考えると割に合わない商売のようだ。
しかし、なぜ畑を、それも特級モンラッシェを購入しようとするのか。
それは、あくまでも想像に域を脱しないが、それがステイタスの象徴だからではなかろうか。自身の生涯において使いきれないほどの巨万の富を得た者が、購入意欲をそそられるのは、絵画であり、美術品であり、大邸宅であり、映画制作であり、野球チーム(?)であり、そしてワインであるのだろう。
畑を、それも天下に轟くモンラッシェを購入し、自分のワインを造るということは、とても栄誉なことであり、名誉にも通ずることなのだろう。僅かしかないモンラッシェの畑のことを考えると、購入という行為は誰もが出来ることではなく、一層その意味は奥深そうであるが、たったの一本のモンラッシェを買うことにすら躊躇してやまない自らの立場を考えると、それはやはり想像を絶する世界の話かもしれないので、早々に筆を置いたほうがいいかもしれない(笑)。
それにしてもドメーヌ・ド・モンティーユのコルトン・シャルルマーニュ購入といい、シャトー・ド・ポマールのモンラッシェ購入といい、畑の新規購入が難しいといわれるブルゴーニュにあっても、新しいうねりは打ち寄せているようである。
モンラッシェ・・・それは辛口白ワインの最高峰・・・。飲みたいなあ。
以上
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