ザ・ジョージアン・クラブ日和

日 時 10月21日(木)

場 所 西麻布 ザ・ジョージアン・クラブさん
   

人 数 12名

テーマ 至福のとき

ワインリスト

年号 ワイン 造り手
n.v. シャンパーニュ リシャール・シュルラン
2002 マコン・ピエールクロ アン・シャビーニュ
ギュファン・エイナン
2001 マコン・ピエールクロ アン・シャビーニュ ギュファン・エイナン
1997 ジュブレ・シャンベルタン クロード・デュガ
1997 ジュブレ・シャンベルタン1級 クロード・デュガ
1994 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ
ユベール・リニエ
 
Menu Dejeuner Gourmand
グルマンのためのランチコース


Coulis de Potiron “Espumas” et mousse de homard a la vanille, caviar oscietre.
かぼちゃのエスプーマとバニラで香りを付けたオマール海老のムース,
オシェトラキャビアと共に

Balotine de Lapereau de Perigord et foie gras de canard,
salade d’endive assaisonnee a la vinaigrette de noix.
生ハムで巻いたペリゴール産 仔うさぎのバロティーヌ仕立て 茸詰め,
ウォールナッツオイル風味のアンディーブのサラダ添え

Bouillon du Pecheur un peu pimente, langoustine, St-Jacques et encornet, semoule aux legumes.
赤座海老, 帆立貝, スムール麦と野菜, ピメントを加えた魚介のブイヨンソース

Fruits de mer poeles au beurre, coulis de salsifis et jus de poulet au vinaigre de xeres.
海の幸のポワレ, ごぼうと里芋のクーリーソース, 小さなサラダ添え


Poisson du jour selon le marche.
鮮魚を本日の調理スタイルで


La cuisse de Pintade de Bretagne poelee et laquee au miel et au poivre noir,
chataigne, jus de carcasse corse.
ブルターニュ産 ホロホロ鳥のラケ 黒胡椒風味, 小さな栗添え, ジュ ロティ

Crepinette d’Agneau d’Australie, courgette et poivron confit, jus de roti.
網脂で包んだオーストラリア産 仔羊のフリカデル,
ズッキーニと赤ピーマンのコンフィー添え, ジュ ロティ

Plat du jour.
その他の本日ご用意できるお料理


Chariot de desserts “Lady Howe”.
“レディ ハウ”のデザートワゴンより お好きなものを

Cafe, The ou Infusion.
珈琲, 紅茶 又はハーブティ


前菜を2品
本日のお魚料理
メインディッシュを1品


ワインはすべて同じ時刻に抜栓し、食事の頃合を見て順次サービスされた。

n.v. シャンパーニュ カルト・ドール リシャール・シュルラン
フレッシュな果実味と軽く焼いたトースト香が心地よく、エレガントなタッチが好印象。幾分軽めの味わいは木目が細かく、食前にもってこいで、酸味を利かしたアミューズとの相性もバッチシである。
  
2002 マコン・ピエールクロ アン・シャビーニュ
ギュファン・エイナン
この造り手らしい燻した重量感が好印象で、時間が経つほどに香りが深くなっていく。色合いには黄緑っぽさががあり、若々しい果実味が後の1997と比べてとても興味深い。余韻も長めで、幾分こじんまり感はあるものの、とてもおいしい重みのあるワインである。
 
1997 マコン・ピエールクロ アン・シャビーニュ ギュファン・エイナン
同じ造り手の同じ畑のビンテージ違い。色合いにゴールドが増していて、ふたつを並べるとその違いに熟成の妙を感じる。香りは大人しい感じではあるが、2002よりも複雑さを増し、ワインに熟成は必要かもと思わせるから面白い。しかし、一方でやや下り坂に入っているかなと思う力の弱さも気にかかり、それは2002年のあふれる果実味の後だけに、一層感じるのかもしれない。美味である。
 
1997 ジュブレ・シャンベルタン クロード・デュガ
薄めのルビー色は熟成を感じさせる色合いでもあり、この優しい味わいは、デュガのアメリカ人好みの濃い目の味わいを想像すると意外な肩透かし感もある。繊細で、油断すると「弱い」と思いがちの味わいは、気品にあふれ、熟成モードの中腹にありつつ、シルクのような滑らかさを持っている。余韻はそれほど長くはないが、1997の少し焦がしたニュアンスが黒系果実の後退気味の味わいに重なる時、うまいなあと思わせてくれる。
 
1997 ジュブレ・シャンベルタン1級 クロード・デュガ
より優しくなった味わいは、1級の格を思うと意外だったが、余韻の長さが断然長くなり、ここに一級たる由縁が隠れているのかと思うと、いとおかしである。シルキーで優しい味わいは、ややもすると料理のパワーに負けそうになるが、久高シェフの優しいお心遣いがそのソースに現われて、魚料理との相性もまた面白い組合せであった。
 
1994 特級クロ・ド・ラ・ロッシュ
ユベール・リニエ
図らずも怪しげなブーケが漂い、クロ・ド・ラ・ロッシュの果実味の華やかさと、なめし皮の趣が、別々の香りの世界を確立しつつも、ワインを口に含み、口の中で混ぜ合わせれば、不思議な放物線を描いて、両者が一体となるから不思議である。女性的な優しい味わいと、動物的な力強さがシルキーなタッチで纏め上げられ、爆発するパワーこそ持たないものの、妙齢な優しい味わいに、ロマン氏の訃報が重なり、何とも言いえぬ境地に達する。1994は俗にタブー視されるほど不遇な年ではあるが、今宵のクロ・ド・ラ・ロッシュは、まさに熟成のピークに到達しており、1994ゆえに10年で開花したこの味わいは、深く心に刻まれることだろう。ただ残念ながら、ほろほろ鳥のスパイシーさを伴った肉感には、薄れゆくロマンスグレーモードのためか、ちょっと力が足りず、単独で楽しんだ方が、その凄さを実感できたかもしれない。このワインは、このワインだけで楽しむのがベターかと思われる。

 貴重な経験に感謝。



以上



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