=============================================================
01/24 南青山 リストランテ濱崎さんで、素敵なディナー
==============================================================

日 時 2007年01月24日(水)
時 間 19h00
場 所 リストランテ濱崎さん
         東京都 港区 南青山4-11-13
         tel. 03-5772-8520
テーマ 銘醸シャンパーニュを白ワインとしてロブマイヤーで
会 費 33,000円 (伊のコース料理等全て込み) 
人 数  7名様 (個室)
グラス ロブマイヤー バレリーナシリーズ
ワイン おって

さあ、予約の取れない名店シリーズの第四弾は、
南青山のリストランテ濱崎さんでした。


セミナーの前の静かなひと時

 南青山の予約の取れないイタリアン リストランテ濱崎さんにて、ワインセミナーを開催しました。濱崎さんは、ロブマイヤーでワインが楽しめるお店としても有名ですが、今回はいろいろあって、私のロブマイヤーを持ち込ませていただき、フランスワインと濱崎さんのスペシャル料理のマリアージュを試みました。個室のキャパの関係で7名様+私(食事はせずサービスと解説担当)にて濱崎さんの全面的なご協力の下、開催させていただきました。この場も借りてお礼申し上げます。


 さて、まずは素朴な疑問から。
 イタリアンで、フランスワインは合うのか・・・。


 結論を急げば、「合う」のです。すでに都内でも横浜でも多くのイタリアンレストランでブル魂セミナーは開催させていただいており、経験は積んでいます。また、幸運にも濱崎さんでは何度か食事をさせていただいており、濱崎ワールドとフランスワインのマリアージュには、かなりの自信を持って望んだのでした。


 私が感じた濱崎ワールドとは、最高レベルでのサービスに和の道に通じる「滋味」が重なり合う独特の世界ということになります。そこに行けば、予約が取れない必定を受け入れざるを得ず、いつも女性客でにぎわう店内は、ハッピーな食卓が展開されているのです。


 では、ワインは何を合わせよう。


 ソムリエの宿屋さんとの打ち合わせを何度か重ね、アペリティフは、オンリストからアルザスの大のお気に入りクリスチャン・ビネールの1996クレマン・ダルザスに決定しました。ロブマイヤー・チューリップBトールで楽しむクレマン・ダルザスは、その世界的な認識レベルを大きく超えた「うまみ」を表現。美しいのです。


 で、続いて最近マイブームなワインを。それは白ワインとしてのシャンパーニュ、です。レコルタン・マニュピュランとして孤高に、そして強烈な存在感を示すアラン・ロベールの1986レゼルブと1986メニル・トラディションの違いを、ロブマイヤー グラスVにて体感していただきました。


 両者は、ともにシャルドネ100%のブラン・ド・ブランの極上シャンパーニュ。しかしこの二つのキュベは、ブドウが収穫され、絞られる果汁の段階から、違う道をたどりながらシャンパーニュとして完成するわけですが、両者の比較は、とても興味深いものとなりました。レゼルブは、やや酸化傾向にありながら、ドライで焼菓子系のニュアンスを持ち、豊かな味わい。トラディションは、熟成の妙に蜂蜜の豊かなうまみが品よく重なります。(しかもデカンタージュをしました) シャンパーニュとしての泡をあえて犠牲にすることで、この至福のときを体感できると信じています。そして、ついには、グラスVの中に白ワインとしての成功をに見つけることができました。コート・ド・ボーヌのシャルドネとは趣を変えるコート・ド・ブランのそれ。そして二つのアラン・ロベールのシャンパーニュは、濱崎さんの有名な前菜8種盛りの、個性のある食材ともマッチして不思議な世界観を見た思いでした。


 続いて濱崎さんの二種類のパスタに合わせて、アルザスのピノ・ノワールを。選んだのは、シュレールの2004ピノ・ノワールL NO12と、ロマネ・コンティとは違う路線で強烈な個性を有するビネールの名作1996ピノ・ノワール。


 シュレールは、まだまだ還元的で、大地の味わいを前面に出すのに対し、ビネールの96は、これはもう「うまい」としか言いようのない、独特のとろみと不思議な透明感を持つ色彩を持っています。アルザス恐るべし・・・何かしらのサプライズをご提供できました(自分調べですが・・・)。


 またシュレールのピノ・ノワールは、食事とともに供したいワインで、ビネールのピノ・ノワールは、ワインだけで楽しみたい逸品でしたが、両者ともに濱崎さんの世界観に通じる何かを持っていたと、感じるのでした。


 そして、メインに合わせたのは、1997デュジャックの特級クロ・サン・ドニ。


 アルザスのふたつのピノ・ノワールが、ピンポイントでうまみの「つぼ」を押さえてくるのに対し、デュジャックのそれは、食空間全体を包み込むスケール感を持ち、これがまさにブルゴーニュの特級ワインの包容力であり、かつてデュジャック節と表現された甘く切ない独特のワールドを強く意識するのでした。


 濱崎さんの素材のうまみを引き立てる味わいに、ピノ・ノワールのうまみを重ねれば、そこにはイタリアンなのに、そしてフランスワインなのに、なぜか和の道を意識させてくれるのでした。日本だからこそ体感できる不思議な食空間。すべての道は和の道に通じているのでしょうか。ここに、ほんものだけが共有する人を魅了する「なにか」があることを強く意識するのでした。セミナー中は、会話も大いに盛り上がり、宿屋ソムリエを交えつつ、濱崎さんどうしてが予約が取れないのかの「謎」に迫ったりしました。聞けば納得のご事情でした・・・。 なお予約のシステムは、一ヶ月前の同日の午前11時に予約開始とのこと。およそ4分で、その日の予約は終了してしまうので、11時5分に電話がつながったとしても、すでに満席を告げざるを得ないようです。またキャンセルは、年に数名出る程度だそうで、これでは過去に経験した、嵐の日でも満席ってのも頷けてしまいました。


 ところで、今回はご参加いただいた7名様(女性4,男性3)に対し、ワインは6種類。都合42客のロブマイヤーをテーブルに並べては、それぞれのワインを大いに楽しんでいただきました。これだけのロブマイヤーが並ぶ光景は、圧巻でした。いつもはスペースやら、予算やら、なにやらの関係で、ワインの種類よりもグラスの数は少なくならざるを得ず、途中で同じグラスに違うワインをサービスせざるを得ないのですが、この日ばかりは、リストランテ濱崎さんワールドを心行くまで堪能していただくためにも、オールロブマイヤーでの世界をお楽しみいただくべく、フェラーリ(号)に満載してしまいました。


 オール・ロブマイヤーな食卓・・・。それは美しい景色でした。


 リストランテ濱崎さんでの素敵な競演を、お楽しみいただけていればうれしいです。


以上





目 次   HOME

Copyright (C) 1988-2007 Yuji Nishikata All Rights Reserved.