08/25 割烹小田島で、必殺ブルゴーニュ魂

日 時 2007年08月25日(土)
時 間 18h00より
場 所 割烹小田島さん
      東京都港区六本木7-18-24 鈴木ビル1F
      TEL:03-3401-3345
      http://www.kappo-odajima.co.jp/
料 理 特別料理(下記参照)。
会 費 21,000円
人 数 9名さまにて
テーマ 必殺ブルゴーニュ魂
グラス ロブマイヤーを3客/人 唐津焼 テイスティンググラス
案内役 ブルゴーニュ魂

  夏は割烹・小田島で必殺ブルゴーニュ魂

 
お料理
先付 枝豆 いくら醤油漬け 鯵 ワカメ 三杯酢 
ヴィシソワーズ(デラウエア) 青唐刻み茗荷合え
前菜 フォアグラ大根 青硬茶 百合根 岩塩
サラダ 小鯛 シメ鯖 水茄子 ぜんまい 蓮根 白アスパラ トマト ベビーリーフ
赤だし もずく 帆立真丈 じゅんさい
造り 新サンマ刺身 苦味ソース 浅月
強肴 鴨ロース 天つゆ漬 茗荷刻み
揚物 ワラサ唐揚げ 岩塩
食事 稲庭うどん 針のり 浅月 香の物
デザート いちぢくのアイスクリーム

ワイン
n.v. カバ 1+1=3 ウ・メス・ウ・ファン・トレス
2006 甲州万力山 金井醸造場
2002 アルザス ブランドノワール クリスチャン・ビネール
2005 ペルナン・ヴェルジュレス マリウス・デラルシュ
1997 ムルソー コシュ・デュリ
1989 特級コルトン・シャルルマーニュ ルイ・ラトゥール
2004 ジュブレ・シャンベルタン ルー・デュモン
1979 ヴォーヌ・ロマネ ジャン・グリヴォ

 今回は、割烹小田島さんの強烈なご協力の下、いろいろあって9名さまにて開催させて頂きました。ご参加いただいた方と関係各位に、この場も借りて厚くお礼申し上げます。しかしお料理がおいしくて、メインワインが本領を発揮すると、とても和やかになります。ありがたいことです。

 ワインについては、ここ最近ブショネに遭遇しておらず、(酢エチ、酸化等には頻繁に合いますが・・)、ほっと肩をなでおろしています。カバは、ここ最近の定番となり、ラベルのエピソードなどをご紹介しつつ、金井さんの意欲作は唐津焼にてお楽しみ頂きました。金井さんのワインは、個性が強く、良くも悪くも好みを分けますが、唐津という器に入れることによって、グラスとはまったく違う表情を見せるところが興味深いです。ただ苦手な方にはやはり苦手のようで、それはそのまま造り手にお伝えしようと思ったりしています。

 続いて、金井さんの逆というか、同じ精神の基に作られたビネールの白ワイン。金井さんが甲州でロゼワインを造ったように、ビネールはピノ・ノワールで白ワインを作っています。2002年は辛口との本人の談もありますが、貴腐を意識させる甘口テーストは否定できず、甘口なのか辛口なのか判断も鈍りがち。しかし、小田島さんのイクラの醤油漬けとの相性は抜群だったようで、歓喜の声も上がりました。(私は遠めで見ていただけなので、今度試してみたいと思います)。

 前半三種の意欲作が終わった後は、ブルゴーニュのど真ん中へ。デラルシュのペルナンの白は、軽快なシャルドネで、夏向きかつ一杯目のシャルドネとしては天下一品。濃すぎず、くどすぎない味わいは、フォアグラ大根の風味も引き立てつつ、なにやらいい感じ。で、フォアグラ大根が食べ終わりそうな頃合で、コシュデュリを開栓。夏場につき、冷たい温度からのスタートは、まずはデカンタージュをして、シャルドネの香味成分に刺激を与えつつ、ロブマイヤー・ブルゴーニュグラスへ。冷たい温度にもかかわらず、燻したヘーゼルナッツと上品なハニー香が鼻腔をくすぐり、時間とともにどう変化するかとお楽しみいただきました。結論を急げば、絶品でした。まさに好みの味わいにして、ムルソーを世界最高の白ワインとして認知させるに十分でした。コシュデュリの97ムルソー。。。恐るべし。今回は最近日本に入荷したもので、キュベ名までは遡及できませんでしたが、コシュデュリ節全開の味わいは、人々を魅了していました。

 コシュデュリは、もう大変な価格帯になってしまいましたが、その価格(3万円前後?)やむなしと思わざるを得ないオーラに、ブルゴーニュの魅惑を感じざるを得ませんでした。

 つづいて、今宵のメインのコルトン・シャルルマーニュ。今回はグラスVにサービスしてみました。1989年というだけあって、色合いは上品に濃くなっていて、香にマロン香とカラメル香が複雑に入り混じりつつ、とてもナイスな状態でした。ただ、隣のコシュデュリがあまりにすばらしかったので、このワインの本領は、少なからず霞みがちで、そのへんに悲哀も感じつつ、しかし後半の伸びは特級たる存在感も示しつつ、皆さんの笑みが私をほっとさせてくれました。

 赤ワインは、仲田さんのルーデュモンからジュブレのハーフを2本。2004年を特徴付けるハーブの香立ちにして、和の食卓に似合う果実味は、とても日本人的。難しい2004年のブルゴーニュの赤にあって、とても穏やかな味わいでした。(実は火曜日に同じワインを開栓していましたが、やはりあのときの味わいにはボトル差を感じつつ、次回でフォローできればと思ったりします)

 そしてメインの1979のヴォーヌ・ロマネ。ギィ・アッカドのコンサルタントを受ける数年前のビンテージにして、ひょう害を受けたとされる、いわゆるオフな古酒でしたが、小田島のムッシュをして「おおお、いい熟成だね」と言わしめ、私をして「ほっ」とさせられるワインでした。力もなく、奥行き感もありませんが、いいお出しの味わいになっています。穏やかなピノ・ノワールの最後の優美を見るようで、当たればもうけもの、はずしてもごめんネ的なワインでしたが、見事、小田島さんの会を〆るにふさわしい味わいでした。オフビンテージでも、いい熟成。よい体験になりました。

 シメのいちぢくのデザートで、ピノ・ノワールをもう一度思い出しつつ、小田島さんの会は、無事終了いたしました。今回も日本各地からご参加いただき、いろいろありがとうございました。大好評につき、調子に乗って(笑)、次回も企画したいと思いますので、よろしくお願いします。

 あ。例のごとく、写真ありません。すみません(笑)


以上



目 次   HOME

Copyright (C) 1988-2007 Yuji Nishikata All Rights Reserved.