小田原 回転するジャック・セロスのシャンパンとフルーツ

無事終了しました
日 時 2008年06月07日(土)
時 間 14h30 - 16h00 予定 (きっちり終了し、その後二次会??)
場 所 味わい回転寿司 すし兵衛 東町店
     http://www.sushibee-higashicho.yokohama.walkerplus.com/
     神奈川県小田原市東町2-1-29 TEL 0465-32-7001
会 費 21,000円(すべて込み)
食 事 フルーツ盛り合わせ。 (別会計でフリーにご注文可能です)
グラス もちろんロブマイヤー 4客/人
人 数 先着9名さま
テーマ シャンパーニュとフルーツ盛り合わせ

ワインリスト

 1998 シャンパーニュ ミレジメ       ジャック・セロス
 n.v. シャンパーニュ シュブスタンス    ジャック・セロス
 n.v. シャンパーニュ コントラスト      ジャック・セロス


 n.v. シャンパーニュ ブリュット・ナチュール フランク・パスカル
 2004 クレマン・ダルザス            ビネール

コントラスト・シュブスタンス・ミレジメ1998の競演・・・すごい。
特製チョコレートと共に
フルーツ盛り合わせ

 ジャック・セロスっっってなんでこんなにすばらしいんでしょうか。
 
 今回は当主アンセルム・セロス氏の提案する飲み方を、ロブマイヤー・バレリーナ・グラスVに均等継ぎして実践しました。このグラスに注ぐと、立ち込める泡の美しさは、多少犠牲になりますが、複雑で豊かな香りを満喫でき、、そして白ワインとしてのポテンシャルの高さを実感できるのです。セロスの凄さを尊重するために、あえてロマネ・コンティとの相性が抜群のこのグラスを選択しました。

 場所は、もちろん回転寿司。途中から完全貸切となった店内は、お寿司が廻ることもなく、ジャック・セロスの登場を待ちわびていました。店内は静まり、抜群の空調設備により温度管理された室温は大変過ごしやすい温度設定。グラスに注いでから飲み干されるまでの時間が長めになることが予想されたため、シャンパンの温度は、やや冷やし目にしておきました。この回転寿司は、冷蔵庫類が豊富でコントロールしやすく、また回転寿司につき、そのカウンターは長く、均等継ぎするには最適の場所と信じています。


 シュブスタンス
 シェリーと同じソレラシステムを採用することで知られるブラン・ド・ブラン。シャルドネの美しさが、微酸化と言う手法によって開花させられる名作です。開栓直後の酸化臭がやや気になりますが、熟れたリンゴの香り、蜂蜜、燻したヘーゼルナッツ、バター、カスタードクリーム、バニラ、白系スパイスなどの香りが複雑に幾層にも重なり合い、それが時と共に変化する様は、大変知的でした。


 コントラスト
 アイ村のピノ・ノワールを用いて造られたブラン・ド・ノワールはお宝映像的シャンパーニュのひとつ。色合いがオレンジがかっているのは、黒葡萄由縁でしょう。酸化臭が支配的だったシュブスタンスに比べ、そのニュアンスは持ちつつも、ピーチや果物の香りに満たされ、長い余韻が特徴的。香りのボリュームも満点で、その厚みに、ただ畏るべしと唸ったりもします。ピノ・ノワールから造られた極上の白ワイン・・・そんな位置づけが楽しい素敵なワインです。生産量が少なく、また近年の超ウルトラな高騰が、悲しげなワインかもしれません。

 今回は、実際に果物類とのマリアージュも実験的にお楽しみいただきつつ、果物を圧倒する味わいは、アペリティフとしてお楽しみいただいたピノ・ムニエ主体の軽めのシャンパーニュが、果物の酸に抵抗し得なかったのと比較して、極めて面白い結果となりました。

 
 1998
 某レストランのソムリエが絶賛する1998。ちょうど一週間前に1997(ただしマグナム)を開栓していたので、個人的には極めて興味の高かったワインです。香りは、全体的に大人しめで、これだけデカンタージュをしてもよかったかなと思いつつ、オープニングの香りを比較したかったので、あえてそのままサービス。うっすらとバニリンに包まれつつ、その香りは複雑で、シャルドネの凄みを感じさせてくれました。白ワインとしての完成度がすばらしかったです。個人的には1997の華やかで豊満な香りのほうが好みですが、1998はこれからどんな成長を遂げていくのか、極めて気になるところですが、価格を考えると、再現は極めて難しく、どうしたもんでしょうか。


 そしてラス
 三種類のセロスを同時に開栓し、たっぷりと時間をかけて味わいつつ、最後に残ったワインに共通する香りは、ジャック・セロス香と名づけたい特徴がありました。三者はすべて違う香りを持ち、違う変遷をたどりましたが、最後の一杯は、みな一様に同じニュアンスを持ち、色合いが少し違う点を除けば、三者の違いを見出す方が難しくなっていました。どれもが酸化傾向の香り立ちに、セロスのワイン造りの思いも集約され、キュベの違いこそあれ、そのすべてが扇の要のごとく、一転に集中していくさまが、大変興味深かったです。


 今回の比較は、食の本物を追求する回転寿司だからこそ実現できたものと信じます。この場も借りて、お礼申し上げますと共に、セロスの世界を共有できた喜びに包まれたりします。これから回転寿司は、夏の大混雑期を迎えますので、次回の回転の会は、秋口になりそうですが、次回はアンリ・ジャイエの世界に迫りたいと思いつつ、回転でしか味わえない独特の食空間をお楽しみいただきたいと思います。

 
以上



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