06/12(金) アンリ・ジャイエのリッシュブール84

撮影=まさぞうさん 
photo by まさぞうさん

感動の一夜でした。大感謝です。

日 時 20090612()
時 間 19h30- (ジャイエの開栓は20h00)
場 所 ラ・ベル・ブラッスリー・モリ(moRi)さん
       http://www.mori-ebisu.jp/
       JR山手線 恵比寿駅より徒歩3分くらい
人 数 7名様(=MAX)
会 費 65,000円(全て込み)
料 理 フレンチのコース料理(4皿の構成 デザートは別会計にて)
グラス オール・ロブマイヤー
ワイン (メイン以外は料理と合わせて)

1984 特級リッシュブール アンリ・ジャイエ

n.v.  クレマン・ド・ブルゴーニュ  デイジオワ・ロワイエ
n.v.  シャンパーニュ プルミエ  ルイ・ロデレール
2007 ブルゴーニュ シャルドネ  フランソワ・ダレーヌ
2005 ブルゴーニュ ピノノワール ドミニク・ガロワ


 翌日、シェフの森さんよりお電話を頂きました。「人生で、生まれて初めてワインで泣きました。この世には、すごいワインがあるんですね」興奮さめ切らない森シェフの、抑えきれない感情が電話口から容易に読み取ることができ、「そうそう、胸が締め付けられるような、切ない味わいってあるんですよね」と、その感動に便乗するように、言葉を重ねてしまいました。

 昨夜、恵比寿のラ・ベル・ブラッスリー・モリさんにて。気持ばかりに、ソースの決め手にと、アンリ・ジャイエを飲んでいただき、シェフの自信作「子羊のロースト 万願寺とうがらし添え」との抜群の相性も達成し、恵比寿の夜は、特に、カウンターでは、ピノノワールの官能に酔いしれたのでした。

 セラーで保管していただいていたリッシュブールを18h00過ぎにセラーから取り出して、室温になじませつつ、夏場につき、温度上昇に最善の注意を払いながら、気持低めの温度設定を維持していました。当初の予定通りに、20h00に開栓し、同時に光を当てながらのデカンタージュ。こまかい澱の部分で一瞬躊躇しましたが、そこはスルーさせて、大きめ澱を瓶に留めて、ロブマイヤー・バレリーナ・グラスVに8等分しては、少しばかり残ったワインをシェフに渡しました。幾分冷たい温度だったため、香の爆発的な要素はありませんでしたが、プラムを思わせる果実の香りと、熟成したニュアンスの香りが混ざり合いつつ、オレンジがかった薄いピノノワールは、自らの温度を上げようと、カウンターに静かに、整列していたのでした。

 で、30分も経過した頃でしょうか。某女史の、すごいことになっている発言をきっかけとして、それはもう、グラスの中では大変な騒ぎに・・・。誰もグラスを回さない美しい光景の中、リッシュブールはその存在感を大いに発揮してくるのでした・・・。

 何だかわからないけれども、体と心を締め付けられるような、強烈な香り。その香りに、アンリ・ジャイエの丁寧な仕事とまっすぐな愛情を垣間見つつ、目頭にたまる涙が、この味わいを最も的確に表現してくれているようで、もうドキドキするしかないのでした。

 メインの羊料理と合わせる頃には、リッシュブールの味わいもピークに達していたようで、カウンターのあちこちから歓喜の声も上がるのでした。予定通り、最後のリゾットを食べ終えたころには、時計はもうすぐ22h00を指すところ。振り返ってみれば、リッシュブールのピークは、開栓して30分後くらいから1時間くらいの間だったのでしょうか・・・。人によってその味わいのピークは違うので何とも言えませんが・・・・。最後の一口は、味的には減退したいたとの声を聞きつつも、デカンタに残った香は、素晴らしいシガーに満ち溢れ、アンリ・ジャイエおそるべしと、ひそかにほくそ笑むのでした・・・。

 アンリ・ジャイエにオフピンなし。そして、おそるべし。貴重な夜に大感謝です。


 なお、空きビンは、お店に寄贈していますので、昨夜の感動を思い起こしたい夜に、ふらりと立ち寄って、森シェフと感動を共にしたいと思ッたりする今日なのでした。

 ご参加いただいた方のブログ


以上



目 次   HOME

Copyright (C) 1988-2009 Yuji Nishikata All Rights Reserved.