セミナーにおけるワインのサービス方法

 ブルゴーニュ魂的ワインセミナーでは、ワインの飲み方にこだわりを持っています。それはブルゴーニュワインやシャンパーニュは飲み方次第でその運命を劇的に変えるからです。季節、天候、時間帯、場所、外気温度、室内温度、お料理の種類、参加人数、ワインの個性、ワインの本数等により、その瞬間に最高のプレゼンテーションを提供できるようにしています。またワインはテイスティングではなく、ドリンキングを基本とし、時に食事とあわせ、時に食事は脇において、お楽しみいただいています。ここでは、そのあたりを少し箇条書きにてご紹介します。なおワインの多くは、ブルゴーニュとシャンパーニュを想定して話を進めます。


【デカンタの有無】

 基本的には、ワインは、デカンタージュ(その多くは、ダブル・デカンタ)を経てサービスしています。

 それは一本のワインを8-12名で等分することが多く、ひとりあたり90-60ccの量により、抜栓直後のいわゆる閉じている状態のままに飲み干してしまう可能性があり、そのワインのポテンシャルを十分に楽しんでいただくために、ある程度開いた状態で楽しんでいただくためです。抜栓時間は造り手の助言や過去の経験をヒントに、ワインの個性に合わせて、臨機応変に対応しています。
(その都度抜栓時間とデカンタの経過時間を説明しています)


 若い赤ワイン・・・ほとんどデカンタをします。(還元状態からの開放を目的として)
            ただし同一条件での比較にウエイトを置く時は、ボトルからそのままも。

 若い白ワイン・・・同上
            ただし同一条件での比較にウエイトを置く時は、ボトルからそのままも。
            シャルドネに含まれ、配糖体として存在するノリイソプレノイドから
            糖類を分離し、香り成分を引き出すために行います。

 古い赤ワイン・・・臨機応変に対応しています。
            デカンタは澱を取るためと、ボトルの上部と下部の差をなくすために行い、
            酒質が微妙な時は、ボトルからグラスへそのまま注いでいます。

 古い白ワイン・・・一端デカンタージュをして、すぐにサービスするようにしています。
            酒席の結晶化などのボトル内格差の是正と、
            (ブショネではない)コルクの香り飛ばしのために。
            また経験的にそのほうがおいしく楽しめます。

 シャンパーニュ・・基本的にはデカンタしませんが、一部の銘柄については必須です。
            (泡に隠された本質を楽しむために、銘柄は非公開)

 その他のワイン・・臨機応変に判断しています。場の空気を読みつつ・・・。


 人数が少ない時は、ボルトから直接と、デカンタの両方お楽しみいただくようにしています。
 また参加者の方のご希望を募る時もあります。


【グラスの選択】
 基本的には、ロブマイヤー社のバレリーナシリーズを使用し、
 補助的にリーデル社のヴィノムシリーズと、INAOのテイスティンググラスを併用しています。

 ロブマイヤー・グラスV・・・・・・ シャンボール・ミュジニ系を除く全てのピノ・ノワール。
 ロブマイヤー・ブルゴーニュ・・・ シャンボール・ミュジニ系と多くのシャルドネ(北部産地をのぞく)
 ロブマイヤー・チューリップ・・・・ クリュグをのぞく、多くの銘醸シャンパーニュ
 バカラ・チューリップ・・・・・・・・・ クリュグ社のワインのほとんど。
 ヴィノム・ブルゴーニュ・・・・・・・ 上記の両者兼用グラスとして。自然派ワインの多くも。
 INAO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ テイスティングの物差し的に。大人数の時も活躍。


【グラスの個数】

 
本来ならば、ワインの種類と参加人数に合わせて、グラスをご用意したいところですが、テーブルのスペースと搬入の問題と、ワインが数種類に及ぶために数量が膨大になるためと、多くの場合、グラスの価格が会費より高いために個数を揃えられない経済的事情にすがりつつ、おひとりにつき3客を基本とさせていただいています。(例外多数)。そして、他のワインを注ぐ時は、同じ品種の時はそのまま、違う品種の時は、共洗いにて対応していただいています。


【テイスティングの目的】

 
若いビンテージを楽しむ時は、まずは当会にて、その味わいと飲み方を確認していただき、それぞれその判断により、そのワインの個性や本質、目的にあわせ、次に抜栓するときのヒントにしていただければと思っています。古いワインや希少なワインは、えてして高価なため、価格を相対的に抑えつつ(割り勘感覚で)、最高の状態でお楽しみいただけるよう配慮しています。またワインを通して、健全な出会いの場にもなっていれば(交流が深められれば)、幸いです。そしてワイン以外の食文化にも接しつつ、感動の最前列にある「おいしい」「うつくしい」を共有させていただいています。


【ワインの量】

 
ワインの量的には、意図的に「少な目」を狙っています。それは、せっかくのワインで酩酊するのではなく、ワインから発せられる感動や「うまいまあ」を共有するためであり、量より質にウエイトを置いているからです。また、お酒の量がそれほど飲めない方に、プレッシャーにならないようにするためもあります。しかしそうは言ってもそこはお酒の席。お酒の許容量は個人差もあり、たくさん飲める方にも配慮しつつ、ある程度の量は確保して、その分量に毎度、苦心しています。(笑) 

 大まかな目安としては、6名くらいの時は、5本。8名の時は、7本くらい。10名の時は8本。12名の時は9本くらいを目安に、参加者の顔ぶれやリクエストに配慮しつつ、進行しています。量的にどうしても少ない時は、別個にワインを確保したりして、飲めない方とのギャップに気をつけています。しかし「飲み」をテーマに持ってくるときは、人数以上にワインが有る場合もあります(例外的に)。

 いずれにしてもいい塩梅を目指しています。


【まとめ】

 ワインを、もっとおいしく !!! 
 そんな感じてお気軽に、よろしくお願いします。


以上



目 次   HOME

Copyright (C) 1988-2006 Yuji Nishikata All Rights Reserved.