ドメーヌ・レ・アフィラント | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年04月10日 外は小雨模様 | |||||||||||||||||||||||
<ドメーヌ・レ・アフィラント> ロバートパーカーに紹介され、高得点をマークしている。彼の著書によればアメリカへの輸出はないが、当主ご本人によれば日本には輸出しているという。馬が畑を耕しているおしゃれなエチケットの細部のデザインにもこだわりを見せ、2001年版は日本からの要望を受け少しアレンジを変えるそうである。アフィラントとはローヌ地方に咲く花の名で、このドメーヌは今回のローヌ固め試飲で最も印象に残る造り手のひとつだ。当主の案内により、コンクリートタンクやオーク樽などから数多くのキュベを試飲させていただいたが、今回はボトリングされたものを紹介したい。個人的な感想としては、ブルゴーニュ樽を使用する影響からか、とてもブルゴーニュを意識した造りを思ったりした。 <2000 Côte du Rhône Villages Covee des Galets> ACコートデュローヌ・ビラージュ ムラサキに黒い赤を混ぜ合わせたような色合い。黒胡椒のスパイシーな香りが立ち、砂糖漬けの果実を煮詰めたような甘い凝縮感があるが、味そのものはきっちり辛口に振ってある。タニックな渋みもワインのレベルを底上げし、うまいと唸らせる。グルナッシュ主体でシラーとムールべドール。 パーカーズポイント : 90 <2000 Côte du Rhône> ACコートデュローヌ 前記のワインと同系色ながら輝きが印象的。より胡椒を前面に出し、黒系果実をジャムにする一歩手前の濃縮感が楽しい。タンニンと酸のバランスも良く、旨み成分を堪能できる。メモには「大ブレイクの予感」と記したりした。 <2000 Côte du Rhône Villages VV> ACコートデュローヌ・ビラージュ 赤 今度のワインは残念ながらまだ硬く閉じている。当主によればボトリング直後だから仕方ないという。それでもスパイシーな胡椒があり、砂糖をイメージする甘味と花を意識する可憐さも持ち合わせているようだ。もう少し落ちつけば前者二本を上回る実力があるだろう。古木のグルナッシュ80%・古木のムールベードル20%でノンフィルター処理。パーカーポイントは91だが、キュベは違うものかもしれない。 <2000 Côte du Rhône Villages Cuvee 3 cépages> ACコートデュローヌ・ビラージュ 赤 (写真参照) 色合いは全体的に同一傾向であり、ムラサキ含みの黒い赤である。胡椒・花の印象が強く煮詰めた凝縮感もこのドメーヌの特徴なのだろうか。華やかさとともに強いアルコール感があり表示の14.5%を超えているかもしれない。グルナッシュ・シラー・ムーベルドールが均等にブレンドされているのでこの名がある。 パーカーズポイント : 92 <2000 Côte du Rhône Villages Cuvee du Cros> ACコートデュローヌ・ビラージュ 赤 看板ワイン シラー100% 「真っ黒くろすけ」と表記しているメモが、この黒い色合いを物語っている。シラー100%だけあって今までのワインとは全く異質のワインである。これぞ濃くって強いローヌのイメージにぴったしである。新樽からくるバニラも香り、トリュフや砂糖漬け果実がぐぐっとくる味わいだ。ビターな大人の魅力も持ち合わせ、弾ける果実味と力強い余韻が印象に残る。南ローヌにして北ローヌに対抗心を燃やすような印象があり、造り手の追求の思いが伝わってくる。驚きの味だ。 パーカーズポイントは91-93 <余談> 今回の試飲は大き目のグラスでぐるぐる回しながら味を引き出すように試飲した。翌々日INAOグラスで回さずに楽しむと全く違う印象を持った。こじんまりと小さくなったイメージなのだ。ローヌは大きいグラスで豪快にやったほうがうまいのだろうか。日本で見つけた暁にはもう一度飲み比べてみたくなったりした。 以上 |