ドメーヌ・デュ・ボスク
試飲日 2002年04月11日 
場 所    ドメーヌ内カーブと食卓
照 明 不明
種 類 フランス ラングドック地方AOCワイン
生産者 Domaine du BOSC (Corbieres)
Vintage 1998
テーマ コルビエール初試飲
ワイン AC Corbieres など
<1998 コルビエール 赤>
 エッジにムラサキを配する限りなく黒に近い赤色。香りは立っておらず、樹脂を思わせるタンニンが歯茎に感じる感覚でなにか小慣れていない印象だ。口に含めば、どことなく平べったさを感じ、奥行き感がない。余韻は短いが飲みこんだあとに感じるアルコール感が妙に印象的だったりする。そもそも初めてのラングドックのワインであり、コンなものかと首をかしげていると、当主も不甲斐ない顔をしている。

 そこでボトルを変えてみることにした。おっと今度は果実味が豊かだ。恐らく一本目は何らかの事情で劣化していたのだろう。ブジョネという説も有力だ。しかし二本目は面白い。このワインのエチケットは屋根に登ったオヤジさんがワインをラッパ飲みする姿があしらわれているが、そういったイメージで飲むと大変おいしく感じられる。堅苦しくなく、気軽に居酒屋などでワイワイ飲むにはベストチョイスだろう。カリニャンにシラーとグルナッシュとサンソーがブレンドされていて、いわゆる濃くって強いワインのお手軽版だからだ。例えコルビエールというアペラシオンのことは知らなくとも、このエチケットのキャラクターがあれば話題に事欠かないことだろう。ブルゴーニュワインとは同じワインというカテゴリーにありながら、全く違うレベルでおいしさを追求しているのかなと思ったりもする。

 当主のオヤジさんも日本市場への展開を望んでいるようで、近い将来日本の居酒屋で楽しめるかもしれない。居酒屋定番料理のジャガバター(ジャガイモバター)やソーセージ料理と合わせて、大いに盛り上がりたいところだ。うまいぞ。

 ちなみにコルビエールは地中海よりのスペイン方面のラングドック地方にありナルボンヌ周辺にある。比較的知名度のあるフィトー(FITOU)の北側一帯に広がっている。この日はあいにくの雨模様だったため畑は寒々しさが募っていたが、晴れた日にくると地中海の風を意識する爽やかな高原が広がるという。畑は山間に転々としていて、数種類の葡萄があちらこちらに栽培されていた。車がないと決して行かれない不便さはあるものの、一度は行ってみたい土地だろう。この地方をさらに南に下るとルーション地方があり、その向こう側がスペインである。

 ボスクのご夫妻と昼食を共にさせていただき、醸造中のコンクリートタンクからも試飲させていただいた。貴重な出会いに感激である。ぜひ彼らのワインを日本で楽しみたいものである。


以上
 


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