ヴォコレ
試飲日 2000年9月17日
場 所    神奈川県内某所     
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine VOCORET et Fils (Chablis)
Vintage 1999
テーマ シャブリ。
ワイン Chablis 1er Cru Montmains


<味の印象>
 うまいシャブリである。やや冷やし目にテイステイング。すがすがしさを感じる美しい金色。透明感がある黄色。青りんごのような果実香とミネラル香とお約束の火打ち石はシャブリの典型である。酸もしっかりしていて、シャープである。オイリーなとろみ感もある。さわやかな中にも落ち着きのある味わいである。ハチミツも若干感じられる。うまい。和食にも軽い洋食にもあいそうだ。やはり魚料理とあわせるのがベターだろう。食中酒の典型だ。ワインが主張するのではなく、食事を引き立てる味。
 ドメーヌ・ヴォコレのシャブリはいつ飲んでもうまい。安心して飲むことが出来る。ちょうど一年前に1997の特級レ・クロと、1995のこちらも特級のブランショのドゥミ(ハーフ)サイズを数回堪能したが、あの濃厚で芳醇な味にこそ及ばないが、同じ造り手のワインであることははっきりと認識できた。1999年はシャブリにとってもすばらしい年のようだ。


<ヴォコレについて>
 シャブリは樽派とステンレス派に分かれるが、このヴォコレはその両方の良さをいかんなく発揮する造り手である。つまり樽熟成によるフルな芳醇さとステンレスによるクリアな味わいの両方を持ち合わせている。なぜそんなことが可能なのだろうか。周知の通りヴォコレ一族はシャブリの名門である。潤沢な資金のもとワインを造っているはずである。資金がなければ、樽とステンレスを両方とも使う贅沢は出来ない。普通ならその設備で倍の量を造れるが、ヴォコレは一つのワインのために樽とステンレスを自由自在に操ることが出来るのだ。うまくないはずがない。保存状態に問題なければ、安心してワンランク上の味を楽しめるだろう。


<シャブリについて>
 シャブリの三大ドメーヌから確実に一歩抜きん出ているのが、ドメーヌ・フランソワ・エ・ジャン=マリ・ラヴノーである。樽熟派の頂点に君臨し、新樽を使わないことでも有名だ。特級と一級のみの約7haを所有し、その味わいは芳醇で濃厚で、豊かである。次はやはり、ルネ・エ・ヴァンサン・ドーヴィサだ。熟成させてよし、若いうちから飲んでよし。偉大なシャブリは高値で取引されるが、1998のような不作の年であれば、通常の半分近くまで値を下げるので、ちょっとお買い得である。三番手は普通ステンレス派のルイ・ミッシェルが来るが、最近評価を落としているようで同じくステンレス派のシャンテメルルにその座を脅かされている。
 そしてその次のグループの筆頭に来るのがこのヴォコレだろう。また、ワインが出来て5年間もその発売を待つデフェも偉大なシャブリを造っている。


<参考> 2,000年現在
シャブリ三大ドメーヌ
1. Francois et Jean-Marie Raveneau
2. Rene et Vincent Dauvissat
3. Louis Michel et Fils
3. Chantemerle

以上


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