ポール・ガローデ 1999 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年8月16日 | |||||||||||||||||||||||
<モンテリー 白> 静かに緑色を伴った薄くきれいな金色。やや冷やし過ぎのためかグレープフルーツ香が新鮮で、皮と果肉のちょうど中間のあのほろ苦いアロマが印象的。鼻にぬける感じは、もぎたての桃を連想させる。決してでしゃばらないが、趣のあるシャルドネである。味わいにはやはり桃を感じ、長めに舌の上に乗せてやると、ゆっくりと唾液がこぼれてくる。辛口の中にほろ苦さを感じるのは、若いワインゆえであるが、ふと静かな夜を過ごしたいときに、こんなモンテリーがあれば最高だろう。 モンテリーの白はコート・ド・ボーヌ地区でも珍しい部類に入るだろう。コント・ラフォンの元醸造長のポール・ガローデが極少量生産しているため、飲む前からある程度の実力は垣間見られ、結構安心して買うことができるワインでもある。ただそんなにお買い得というほど安くないのが、たまに傷である。もちろんコント・ラフォンそのものやポール・ガローデのムルソーとピュリニー・モンラッシェよりは安いけれど。モンテリーの白は物珍しさも手伝って、シャルドネを数多く飲んできた人はおおおっと思う逸品だろう。 個人的な思いとしては、このワインは初めてシャルドネを飲む人には余り薦められない。味わい自体が通好みに仕上がっているためである。また初心者向けのシャルドネはほかにも沢山あり、敢えてここからスタートする必要性はないだろう。初めてのシャルドネにはもっと個性的かつ華やかなワインがいいと思う。シャブリしかりマコンしかりである。または同じポール・ガローデならACブルゴーニュがお勧めだったりする。 ワインの楽しみのひとつに「共有」を求めるならば、その価値が分かり合えることが必要だ。テーブルに用意されたワインを共に感激し、共に反省し、そして共に楽しみたいとするならば、産地毎に味わいを変えるシャルドネというものに興味が欲しい。シャブリ・コートドニュイ・コートドボーヌ・マコン・ボージョレー・シャンパーニュ・そして新世界で造られるシャルドネにどんな味わいの差があるのか、その中のもっとも地味な存在のひとつとしてモンテリーは存在しているような気がしてならない。またポールガローデのモンテリーの白を共有することは、モンテリーの赤はもちろんのこと、ポール・ガローデ自身のいくつかのワインを味わってこそ味わいや感激も深まるだろう。何も知らずに飲むにはこのモンテリーは余りにも味わいが良く、入手が困難なのだから。 そして私はワインを共有したい。 以上 |