アドリアン・ベラン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年9月23日 | |||||||||||||||||||||||
<ピュリニー・モンラッシェ> すばらしく濃い金色である。深みのある金色は重曹感があり、これぞグレートビンテージのピュリニーらしい色合いである。エッジに見える透明感は9年の歳月の賜物だろうか。これはもう飲む前から偉大なワインを想像させてくれる。抜栓直後のINAOグラスはあっという間にハニー香に満たされた。このハニーはすばらしい。味わいもまさにハニーであり、極上の蜂蜜をワインにしたような印象である。それでいてしっかりと辛口にしあがり、とろみ感を携えたうまみは首筋辺りの筋肉を心地よく刺激し、身体全身がよじれるほどの感激に包まれる。つくづく1992のブルゴーニュの白は超グレートビンテージなのだと実感する。このワインは村名畑指定にしてこんなにビッグな味わいを伝えてくるのだから。 時間とともに香りに甘味が加わってきた。例えは悪いかもしれないが、極上のプリンの上にかかるあのザラリとしたシロップのような香りが漂い始めた。シャトーディケムのような甘味のある澄んだ香りにも似ている。しかししっかりと辛口である。決して香りと味のバランスが悪いわけではなく、ディケムの甘さを想像していると、このしっかりした酸にびっくりするかもしれない。うまい。このワインは買占め欲求に襲われるワインである。おそらくこの味わいを出すのに最低2万円は必要だと覚悟していると、これまたびっくりするほどお買い得価格である。あの1992が、セラー蔵出し直後の1992が、この価格なんて信じられない。これは衝撃的である。 まだお店に並んでいたはずである。早速朝一番で買いに行こう。 2001年8月ドメーヌセラー蔵出し。 アンドリアン・ベランは温泉地サントネーに本拠地を構え、シャンベルタンとコルトンシャルルマーニュが看板ワインであり、ちょっと異色である。サントネーのドメーヌがコートドニュイの大銘醸シャンベルタンを造っても評価の対象にはならないが、伝統と畑の場所、味わいのすばらしさに一目置かれていると言う。少し探してみたくなったドメーヌである。 以上 |